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日経平均は反落、米中会談の結果見通せず目先の利益確保

ランチタイムコメント
 日経平均は反落。117.65円安の21220.52円(出来高概算4億9000万株)で前場の取引を終えている。

 27日の米株式市場でNYダウは10ドル安と小幅に3日続落した。「米中は貿易戦争の暫定的な停戦で合意した」との報道を受け、両国の摩擦緩和への期待から買いが先行。しかし、中国が通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)への制裁解除などを要求しているとも報じられ、週末の首脳会談の結果を見極めたいとの思惑から伸び悩んだ。主力機「737MAX」に新たな不具合が見つかったボーイングの大幅下落もNYダウを下押しした。前日に250円超上昇した日経平均だが、本日は米国株の伸び悩みを背景に利益確定の売りが先行して55円安からスタート。寄り付き後も重要イベントを控え薄商いのなか、売りに押されじりじりと下げ幅を広げる展開となった。東証1部の値下がり銘柄は全体の6割ほど、対して値上がり銘柄は3割強となっている。

 個別では、ZOZO<3092>が2%超下落したほか、ソフトバンクG<9984>、JT<2914>、村田製<6981>などが軟調。ソニー<6758>やトヨタ自<7203>は小安い。前期業績を下方修正したアスクル<2678>、第3四半期の業績観測が報じられたビックカメラ<3048>などは下げが目立つ。また、セレス<3696>はビットコイン価格の急反落で売りがかさみ、東証1部下落率上位に顔を出した。一方、任天堂<7974>やファーストリテ<9983>は小幅に上昇。レーティング引き上げ観測のNEC<6701>や自社株買い実施を発表したエディオン<2730>は大きく買われた。また、前期業績の上方修正と増配を発表したハニーズHD<2792>が急伸し、東証1部上昇率上位に顔を出した。セクターでは、石油・石炭製品、鉱業、証券などが下落率上位。反面、保険業、医薬品、水産・農林業など5業種が上昇した。

 日経平均は3ケタの下落で前場を折り返している。前日は「米中が貿易戦争の暫定的な停戦で合意した」との海外メディアの報道を受け、摩擦緩和への期待から250円超上昇していた。しかし、中国側が米国による制裁の解除などを要求していると報じられたほか、米国側からも新たな対中関税が発動されるかは首脳会談の結果次第といった当局者の発言が伝わっている。本日から20カ国・地域(G20)首脳会議が大阪で始まる。注目の米中首脳会談で何らかの合意が得られるか、あるいは物別れに終わるかはなお見通せず、目先の利益を確保する売りが出やすいところだろう。会談を挟んだポジションの持ち越しは手控えられそうだ。

 前場の東証1部売買代金は概算で8400億円程度にとどまり、模様眺めムードを映す。新興市場ではマザーズ指数や日経ジャスダック平均が上昇しているが、やはり個人投資家の物色が活発な印象は乏しい。アジア市場も中国株を中心に総じてさえない。後場の日経平均は引き続き軟調に推移しそうだ。
(小林大純)


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