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日経平均は反発、TOPIX型優位の展開続く

ランチタイムコメント
 日経平均は反発。49.13円高の22069.28円(出来高概算6億2686万株)で前場の取引を終えた。前日の米国株式市場は、トランプ大統領の弾劾が困難であるとの見方が広がるなか、日本との貿易協定締結で合意したほか、トランプ大統領は中国との通商合意が予想よりも早期に実現する可能性があるとの考えを示したことも材料視され、主要3指数は揃って反発。これにより、シカゴ日経225先物清算値は大阪比85円高の21885円に。前述した日米貿易合意や米中貿易協議進展期待の高まりを受けて、本日の日経平均は配当落ち分を考慮した水準をも上回って取引を開始。一方で、為替市場では、寄り付き直後に円安・ドル高の進行が一服したほか、前場中ごろに取引が開始された中国・上海総合指数をはじめとしたアジア株式市場においても上値の重さが意識された。これらのほか、4月24日につけた日経平均のザラ場高値22362.92円を前にした利益確定の動きも相まって、日経平均は朝高後に上げ幅を縮小する展開となった。

 セクターでは、鉄鋼やパルプ・紙が2%の上昇となったほか、ガラス・土石製品、海運業、非鉄金属が上昇した一方で、鉱業や精密機器などはさえない。売買代金上位では、米中貿易協議進展期待や米系証券の格上げを受けたファナック<6954>が3%高になったほか、任天堂<7974>、ソフトバンクG<9984>、トヨタ自動車<7203>、コロプラ<3668>、東京エレクトロン<8035>、武田薬<4502>、三菱UFJ<8306>、日本航空<9201>、三井住友<8316>、村田製作所<6981>が上昇。一方で、ファーストリテ<9983>、ソニー<6758>、三菱商事<8058>、アドバンテスト<6857>はさえない。

 本日の東京市場では、NT倍率が取引時間中に13.53倍をつけ、4月12日(安値13.51)
以来約5ヶ月半ぶりの低水準までの調整をみせた。背景には、24日と25日の当欄でも指摘した市場推計で約6000-7000億円規模とみられる株価指数連動型運用(パッシブ運用)での配当再投資に絡んだ物色のほか、9月30日の大引けに控える日経平均採用銘柄の入替が主因として挙げられよう。前者の配当再投資に絡んだ商いとして、市場では225先物に対して約1000億円強の買い需要が予想されているが、TOPIX先物への買い需要はそれを3-4倍程度上回る水準と観測されている。また、後者の9月30日に控える日経平均採用銘柄の入替においては、今回新たに採用されるエムスリー<2413>への買い需要捻出に伴い、225型銘柄を中心として発生する売り需要も同日引けにかけて発生する見込みだ。

 これらの需給要因を背景に、足元で割安訂正の動きが続く自動車や金融セクターをはじめとしたTOPIX型銘柄(東証1部の中小型株を含む)が強含む展開は、来週初までは意識されやすいだろう。また、本日は配当・優待権利付き最終売買日というタイミングもあり、高配当銘柄や株主優待に妙味がある銘柄に対する権利取りの動きは後場も活発化するとみられる。
(雲宮 祥士)


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