日経平均は5日ぶり反発、FOMCやパウエルFRB議長の記者会見受け安心感広がる
[20/07/30]
提供元:株式会社フィスコ
提供元:株式会社フィスコ
ランチタイムコメント
日経平均は5日ぶり反発。11.18円高の22408.29円(出来高概算5億3091万株)で前場の取引を終えている。
前日29日の米国株式相場は反発。ダウ平均は160.29ドル高の26539.57ドル、ナスダックは140.85ポイント高の10542.94ポイントで取引を終了した。連邦準備制度理事会
(FRB)が当面金融刺激策を維持するとの期待感から買いが先行。その後、連邦公開市場委員会(FOMC)で予想通りゼロ金利据え置きを決定し、回復に自信が戻るまで長期にわたり低金利を維持する方針を示したほか、パウエルFRB議長も会見で回復を支援するためにあらゆる手段を活用していく断固とした方針を再表明すると一段高となった。
米国株高を受けた今日の東京株式市場は買い先行で始まった。昨日のFOMCの結果やパウエルFRB議長の記者会見の内容などを受け、東京市場でも安心感が広がった。また、昨日までの4営業日で日経平均は500円近く下落しており、押し目買いが入りやすかった。ただ、引き続き新型コロナウイルス感染拡大や、西側諸国と中国との対立激化に対する警戒感は強く、また、4-6月期決算発表がピークを迎えつつある中、予想を下回る決算を発表した銘柄が大きく売られる傾向があり、決算内容を見極めたいとするムードが強くなり、前引けにかけては買いが手控えられ、日経平均は上げ幅を縮めた。
個別では、20年12月期上半期(中間期)連結営業利益が前年同期比23.2%増となったGMOペパボ<3633>が一時ストップ高まで買われ、21年3月期第1四半期(20年4-6月)連結営業利益が前年同期比2.1倍となったイーブック<3658>、第3四半期も業績拡大傾向が継続したチェンジ<3962>が10%を超す大幅高となったほか、20年12月期業績予想を上方修正したRSTECH<3445>、21年3月期第1四半期(20年4-6月)連結営業利益が前年同期比2.3倍となった北陸電力<9505>、第1四半期決算が想定上回る大幅増益となったエムスリー<2413>が上げた。
一方、21年3月期第1四半期(20年4-6月)連結営業損益が38.24億円の赤字となったぐるなび<2440>が14%を超す大幅安となり、通期業績下方修正で一転営業減益見通しになった花王<4452>、通期業績見通しは市場想定を下回るレベルとなったスクリーンHD<7735>が安くなった。
セクターでは、証券商品先物、精密機器、情報・通信業、サービス業、食料品などが上昇率上位。一方、鉱業、電気・ガス業、銀行業、空運業、ガラス土石製品などが下落率上位だった。東証1部の値上がり銘柄は全体の32%、対して値下がり銘柄は62%
となっている。
昨日の米国株式市場は次第に上げ幅を広げる展開となった。FOMCでゼロ金利政策と量的緩和政策を維持すると決めたことに加え、パウエルFRB議長が次回以降の会合で追加策を検討する考えを示唆したことなどが安心感となったようだ。金融政策が株式市場の下支え要因となる構図に変わりはないようだ。
この大きな枠組みの中で、個別銘柄の動きが活発になっている。昨日は、4-6月期の低調な決算内容が嫌気され、日産自<7201>、キヤノン<7751>などが10%を超す下げとなった。今日の前場も、三越伊勢丹<3099>が8%近い下げとなるなど、厳しい決算を発表した銘柄が下落した。一方、今週に入って予想を上回る決算を発表した日本電産<6594>は今日も年初来高値近辺で頑強な動きとなり、昨日業績予想を上方修正したアサヒHD<5857>は今日の前場に15%を超す上げとなった。
4-6月期の業績悪化が一時的なものであると判断すれば、7-9月期の業績回復に期待する買いが入っても良さそうだが、決算発表で大幅安となった銘柄の押し目買いは限定的だ。おそらく市場は、4-6月期に厳しい決算を強いられた企業の業績が7-9月期にV字回復する可能性はほぼないと見ているのだろう。さらにその先の長期的な収益拡大も悲観的に見ているのかもしれない。「コロナだから業績悪化は仕方がないよね」は今の市場には通用しないようだ。一方、コロナ禍の逆風の中で好決算となった銘柄は、株価上昇後に高値圏で利益確定売りをこなす動きが見られる。収益体質の強化やウィズコロナの中での収益拡大策がアフターコロナでも強みとなると見ているようだ。
4-6月期決算で株価が大きく沈んだ銘柄の株価浮上は簡単ではないと思われる一方、4-6月期決算が高く評価された銘柄は7-9月期以降の業績への期待も高まりやすく、株価は上値指向を強める可能性が高い。今後しばらくは、4-6月期の決算内容をベースにした銘柄の峻別が進みそうだ。
さて、後場の東京株式市場で日経平均はもみ合いとなりそうだ。日米とも4-6月期決算発表が佳境となってきており、決算内容を確認したいとするムードが強い。また、明日は日本の6月の失業率、求人倍率、鉱工業生産指数、住宅着工、7月の消費動向調査など経済統計の発表が集中することもあり、ポジションを片方に傾けにくく、やや様子見ムードが強くなりそうだ。
<AK>
前日29日の米国株式相場は反発。ダウ平均は160.29ドル高の26539.57ドル、ナスダックは140.85ポイント高の10542.94ポイントで取引を終了した。連邦準備制度理事会
(FRB)が当面金融刺激策を維持するとの期待感から買いが先行。その後、連邦公開市場委員会(FOMC)で予想通りゼロ金利据え置きを決定し、回復に自信が戻るまで長期にわたり低金利を維持する方針を示したほか、パウエルFRB議長も会見で回復を支援するためにあらゆる手段を活用していく断固とした方針を再表明すると一段高となった。
米国株高を受けた今日の東京株式市場は買い先行で始まった。昨日のFOMCの結果やパウエルFRB議長の記者会見の内容などを受け、東京市場でも安心感が広がった。また、昨日までの4営業日で日経平均は500円近く下落しており、押し目買いが入りやすかった。ただ、引き続き新型コロナウイルス感染拡大や、西側諸国と中国との対立激化に対する警戒感は強く、また、4-6月期決算発表がピークを迎えつつある中、予想を下回る決算を発表した銘柄が大きく売られる傾向があり、決算内容を見極めたいとするムードが強くなり、前引けにかけては買いが手控えられ、日経平均は上げ幅を縮めた。
個別では、20年12月期上半期(中間期)連結営業利益が前年同期比23.2%増となったGMOペパボ<3633>が一時ストップ高まで買われ、21年3月期第1四半期(20年4-6月)連結営業利益が前年同期比2.1倍となったイーブック<3658>、第3四半期も業績拡大傾向が継続したチェンジ<3962>が10%を超す大幅高となったほか、20年12月期業績予想を上方修正したRSTECH<3445>、21年3月期第1四半期(20年4-6月)連結営業利益が前年同期比2.3倍となった北陸電力<9505>、第1四半期決算が想定上回る大幅増益となったエムスリー<2413>が上げた。
一方、21年3月期第1四半期(20年4-6月)連結営業損益が38.24億円の赤字となったぐるなび<2440>が14%を超す大幅安となり、通期業績下方修正で一転営業減益見通しになった花王<4452>、通期業績見通しは市場想定を下回るレベルとなったスクリーンHD<7735>が安くなった。
セクターでは、証券商品先物、精密機器、情報・通信業、サービス業、食料品などが上昇率上位。一方、鉱業、電気・ガス業、銀行業、空運業、ガラス土石製品などが下落率上位だった。東証1部の値上がり銘柄は全体の32%、対して値下がり銘柄は62%
となっている。
昨日の米国株式市場は次第に上げ幅を広げる展開となった。FOMCでゼロ金利政策と量的緩和政策を維持すると決めたことに加え、パウエルFRB議長が次回以降の会合で追加策を検討する考えを示唆したことなどが安心感となったようだ。金融政策が株式市場の下支え要因となる構図に変わりはないようだ。
この大きな枠組みの中で、個別銘柄の動きが活発になっている。昨日は、4-6月期の低調な決算内容が嫌気され、日産自<7201>、キヤノン<7751>などが10%を超す下げとなった。今日の前場も、三越伊勢丹<3099>が8%近い下げとなるなど、厳しい決算を発表した銘柄が下落した。一方、今週に入って予想を上回る決算を発表した日本電産<6594>は今日も年初来高値近辺で頑強な動きとなり、昨日業績予想を上方修正したアサヒHD<5857>は今日の前場に15%を超す上げとなった。
4-6月期の業績悪化が一時的なものであると判断すれば、7-9月期の業績回復に期待する買いが入っても良さそうだが、決算発表で大幅安となった銘柄の押し目買いは限定的だ。おそらく市場は、4-6月期に厳しい決算を強いられた企業の業績が7-9月期にV字回復する可能性はほぼないと見ているのだろう。さらにその先の長期的な収益拡大も悲観的に見ているのかもしれない。「コロナだから業績悪化は仕方がないよね」は今の市場には通用しないようだ。一方、コロナ禍の逆風の中で好決算となった銘柄は、株価上昇後に高値圏で利益確定売りをこなす動きが見られる。収益体質の強化やウィズコロナの中での収益拡大策がアフターコロナでも強みとなると見ているようだ。
4-6月期決算で株価が大きく沈んだ銘柄の株価浮上は簡単ではないと思われる一方、4-6月期決算が高く評価された銘柄は7-9月期以降の業績への期待も高まりやすく、株価は上値指向を強める可能性が高い。今後しばらくは、4-6月期の決算内容をベースにした銘柄の峻別が進みそうだ。
さて、後場の東京株式市場で日経平均はもみ合いとなりそうだ。日米とも4-6月期決算発表が佳境となってきており、決算内容を確認したいとするムードが強い。また、明日は日本の6月の失業率、求人倍率、鉱工業生産指数、住宅着工、7月の消費動向調査など経済統計の発表が集中することもあり、ポジションを片方に傾けにくく、やや様子見ムードが強くなりそうだ。
<AK>