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日経平均は3日ぶり小幅反落、中小型株の循環物色に新年相場への期待

ランチタイムコメント
 日経平均は3日ぶり小幅反落。8.36円安の26659.99円(出来高概算3億6000万株)で前場の取引を終えている。

 クリスマス前日の短縮取引だった24日の米株式市場でNYダウは続伸し、70ドル高となった。取引参加者は限られたものの、新型コロナウイルスワクチンの確保が進んでいることや、英国と欧州連合(EU)が自由貿易協定(FTA)などで最終合意に至ったことが安心感につながった。本日の日経平均もこうした流れを引き継いで39円高からスタートすると、寄り付き直後に一時26716.61円(48.26円高)まで上昇。ただ、米追加経済対策の成立に不透明感が出てきているうえ、新型コロナ変異種に対する警戒感なども根強く、前場は前日終値を挟みもみ合う展開が続いた。海外勢の取引が減り、ここまでの上下の値幅は78円ほどとこう着感が強かった。

 個別では、売買代金トップのソフトバンクG<9984>が4日続落し、3%超下げている。出資先の中国アリババグループが中国当局の調査を受けて株価急落し、売り材料視されているようだ。ソニー<6758>やエムスリー<2413>もさえない。また、ストライク<6196>は第1四半期決算が大幅減益となり、東証1部下落率上位に顔を出している。
一方、任天堂<7974>、ファーストリテ<9983>、キーエンス<6861>、トヨタ自<7203>は小じっかり。中小型株ではレノバ<9519>が連日で賑わっており、引き続き環境関連銘柄への関心が高いようだ。また、業績上方修正の可能性を公表した郵船<9101>は7%近い上昇。商船三井<9104>や川崎船<9107>といった他の海運株にも買いが波及し、明治海<9115>が東証1部上昇率上位となっている。

 セクターでは、情報・通信業、サービス業、精密機器などが下落率上位。半面、海運業、建設業、倉庫・運輸関連業などが上昇率上位だった。東証1部の値下がり銘柄は全体の40%、対して値上がり銘柄は54%となっている。

 本日の東京市場では、海外投資家のクリスマス休暇により取引が減少。ここまでの東証1部売買代金は6500億円あまりにとどまっており、1日を通じても前日の1兆6122億円からさらに落ち込む可能性が高い。日経平均は値動きが乏しく、小幅な下落で前場を折り返した。ただ、ソフトバンクG1銘柄で約59円の押し下げ要因となっており、東証1部全体としては値上がり銘柄の方が多い。東証株価指数(TOPIX)は前引けで0.12%の上昇となっており、市場のムードはさほど悪いわけではないだろう。

 一方、新興市場ではマザーズ指数が3日ぶりに反落しているが、直近2日で40pt近く上昇していたため、週末を前に利益確定の売りが出るのは想定内だろう。さすがに22日上場のウェルスナビ<7342>などの直近IPO(新規株式公開)銘柄は上値追いの動きが鈍ってきたが、その分、新たな上場銘柄の初値買いに投資資金が向かっている印象だ。本日の新規上場組では、マザーズのファンペップ<4881>がやや警戒されつつも公開価格比+10%、東証2部のSANEI<6230>が+60%という初値を付けている。ジャスダックの東和ハイシステム<4172>はまだ買い気配だ。また、前日の取引ではIPO銘柄を利益確定した資金が既存のマザーズ銘柄にもじわり還流し始めた感があった。

 年末に向けてまだまだ節税目的の損出し売り、買い持ち高を手仕舞うための売りが出てくる可能性はある。市場関係者からは年末年始の急激な為替変動の可能性を警告する声が聞かれるし、コロナ禍中に買い持ちしたまま4日間の休暇を迎えるか、個人投資家にとっては悩ましいところだろう。ただ、上述したような循環物色の流れが継続しているところを見ると、新年相場での中小型株の活躍に期待が持てそうだ。
(小林大純)


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