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手控え材料も多く目先もみ合い、個別物色を想定

後場の投資戦略
[日経平均株価・TOPIX(表)]

日経平均;23268.38;+290.63TOPIX;1689.86;+15.09

[後場の投資戦略]

 本日の日経平均は米株高の流れを引き継ぎ、朝方には上げ幅を400円超に広げる場面があった。新型肺炎を巡るWHOの緊急事態宣言を短期的な悪材料出尽くしと受け止める向きがあり、渡航・貿易制限が勧告されなかったことから経済への影響も抑えられると考えられているようだ。前日の先物手口を見ると、やはりクレディ・スイス証券を中心とした外資系証券の一角で売り越しが目立ったが、本日はこれら海外の短期筋が買い戻しを入れているものとみられる。富士通やアンリツといった注目度の高い主要企業で好決算が多く見られたことも相場全体の押し上げに寄与しているだろう。

 しかし、このところ海外勢の先物売買との連動性が高い香港ハンセン指数は本稿執筆時点で0.4〜0.5%ほどの上昇にとどまっており、前日まで大幅安が続いたことを踏まえると戻りの鈍い印象は拭えない。新型肺炎の感染拡大への警戒感が根強いことが窺える。また、本日は国内で2019年10-12月期決算発表の第1のピークとなるほか、海外では英国が欧州連合(EU)離脱を迎える。来週に目を向けても、国内主要企業の決算発表が続き、米国では大統領選挙の予備選開始、トランプ大統領の一般教書演説といった重要イベントに、雇用統計など1月経済指標の発表も相次ぐ。もちろん、株価変動率(ボラティリティー)の高まりも売買を手控えさせる要因となる。

 これらを踏まえると、日経平均は後場も海外勢の先物売買に振らされる場面が出てきそうだが、一段の戻りを試す動きとはなりづらいだろう。目先は23000円台前半を中心としたもみ合いが継続し、決算を手掛かりとした個別物色中心の相場展開になるとみておきたい。
(小林大純)


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