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新型肺炎拡大による世界的な株安が市場心理を悪化、急落後は押し目買いも

後場の投資戦略
[日経平均株価・TOPIX(表)]

日経平均;22686.61;-700.13TOPIX;1628.59;-45.41

[後場の投資戦略]

 前場の日経平均は、1000円を超す大幅な下落後、押し目買いの好機と捉える向きもあるようで、じりじりと下げ幅を縮小していった。テクニカル的には、当面は、下値のメドとしては週足の一目均衡表における基準線(22335.06円)が意識され、上値は心理的な節目である23000円となりそうだ。もし、今週中に早い段階で23000円を回復することができれば、その後は26週線が下値支持線となろう。ただ、一目均衡表では、日足ベースですでに三役逆転を形成しており、週足ベースでも転換線が下向きに転じている。そのほか、移動平均線でも、25日線と75日線によるデッドクロスがすでに形成されている。

 市場のリスクセンチメントを表す日経VIは、本日、市場の警戒度合いを示唆するとされる節目の20ptを大幅に超える23pt台まで急上昇しており、一時は、2019年1月上旬以来の25pt台まで上昇する場面があった。相場の大幅変動の要因となっている新型肺炎についても、日本など中国以外の国では感染拡大ペースが加速しており、事態の急速な改善は期待されにくい。このため、しばらくは芳しい株価の動きは想定しにくいと考えられる。

 ただ、印象としては総じて底堅い。上述したように、日経平均は寄付き直後に1000円を超す大幅な下落を見せた後は、前引けまで一本調子に下げ幅を縮小する展開。為替についても、為替ヘッジなし外債投資の増加やインバウンド停滞による円買い需要の減少など、実需による面もあるが、リスクオフの動きを大きく反映しているとはいえず、1ドル=111円ちょうどを挟んだ水準での推移となっている。アジア市場に目を向けてみても、新型肺炎の発祥地である中国の上海総合指数は、24日は0.3%程度の下落率に留まり、本日も今のところは1%程度の下落率。ここのところ、日経平均との連動性が高い香港・ハンセン指数も、24日は1%を超える下落となりながらも、2%まではいかず、本日は下落するどころか一時反発する場面も見せている。

 このため、総じて、楽観視することは禁物だが、過度に悲観視する必要もないといえそうだ。2003年のSARS(重症急性呼吸器症候群)の際には、感染者数の拡大ペースに鈍化が見られたタイミングからマーケットは回復を見せ始めていた。このため、当分は、関連のニュースフローに振らされることにはなるが、新たに感染拡大が観測された日本や韓国、イタリアといった各国において、感染拡大ペースに鈍化の兆しが見られたなどとする材料が出れば、日経平均も23000円台後半まで戻す展開が期待できよう。それまでは、幕間繋ぎ的な形での材料株物色が主体となりそうだ。それ以外では、先日述べたように、こうした全体相場への連れ安の際には、普段であれば高値圏で手を出せなかった業績好調銘柄への押し目買いの好機として臨んでいきたいところだ。
(仲村幸浩)


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