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指数こう着による中小型株の賑わいに警戒も

後場の投資戦略
[日経平均株価・TOPIX(表)]

日経平均;22474.65;+214.86TOPIX;1573.57;+11.72

[後場の投資戦略]

 前日の米国株が上昇した流れを引き継ぎ、本日の東京市場でも買いが先行した。しかし、ここまでの東証1部売買代金は1兆円に届かず、引き続き上値追いの動きは乏しい。売買代金上位を見ると、ボルカー・ルール緩和に伴い金融株が堅調。ソフトバンクGなど好材料を手掛かりに買われる銘柄も散見されるため、市場のムードはさほど悪くない。とはいえ、業種別騰落率を見ても主力大型株はやや物色の方向感に乏しいと言えるだろう。

 日経平均の日足チャートを見ると、22300円近辺まで上昇してきた25日移動平均線が下値をサポートする形となっているものの、22000円で一段とこう着感を強めてきた。
国内外で新型コロナ感染者数が再び増加し、ニュースフローに連動してシステム取引による散発的な売りが出ているのだろう。また、株価指数オプションでも株価下落をヘッジ(回避)する目的でのプット(売る権利)の取引が増えているといい、先行きへの警戒感が拭えないことが窺える。

 一方、このところの先物手口を見ると、引き続き目立って売りに傾いている印象はない。新型コロナの再拡大は確かに脅威だが、現在は経済・金融政策のサポートもあり、金融市場が感染初期のようなパニックに陥るとみる向きはさほど多くないようだ。経済活動の再開に伴い、主要国の経済指標が上向いていることもある。何よりかねて当欄で指摘しているとおり、海外投資家は5月下旬ごろまで売り持ち高を抱えて踏み上げ相場に負けており、主要中央銀行が積極的な金融緩和姿勢を示しているうちは再び売りに傾きにくいだろう。

 こうして株価指数は上にも下にも動きにくくなり、主力大型株の売買も低調となりつつあるのだと考えられる。一昨日の当欄でも述べたが、証券各社も当面もち合い相場が続くとの見通しに傾いてきている。

 いきおい、個人投資家による中小型株物色が目立つこととなる。とりわけ2カ月以上ぶりに再会されたIPO(新規株式公開)が関心を集めており、24日に新規上場したフィーチャ<4052>は上場3日目の本日、公開価格の約9.1倍となる初値を付けた。上昇率は2018年4月に10倍高を達成して話題となったHEROZ<4382>以来の高さだ。個人投資家は資金回転が利き、物色意欲が旺盛であることが窺える。

 ただ、株価過熱への警戒ムードが薄れてきている点は気掛かりでもある。信用買い残の積み上がりなども指摘されており、人気銘柄の株価急落などをきっかけに損益悪化すれば急速な巻き戻しが発生する可能性もある。賑わっている中小型株にはこれまでより慎重に取り組んでいく必要があるだろう。
(小林大純)


<AK>

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