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パウエル議長講演を見極めたいところ

後場の投資戦略
[日経平均株価・TOPIX(表)]

日経平均;23257.17;-39.60TOPIX;1619.54;-5.69

[後場の投資戦略]

 本日の日経平均はやや売り優勢で、小安い場面が多くなっている。前日は一時400円を超える上昇となり、コロナショック前の2月21日終値(23386.74円)を上回る場面もあっただけに、NYダウの反落を受けて利益確定の売りが出やすいところだろう。また、今週度々触れているとおり、27〜28日に開催される米経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」でのパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演が注目されており、持ち高を一方向に傾ける動きは限られる。前日も先物手口を見ると、値幅が大きかった割には東証株価指数(TOPIX)先物で目立った売り買いの傾きは見られなかった。なお、日経平均先物ではクレディ・スイス証券が買い越し筆頭となっており、短期筋の買いが相場を押し上げたとみられる。また、本日ここまでの東証1部売買代金は
8000億円あまりにとどまっている。

 売買代金上位や業種別騰落率を見ると、前日に新型コロナウイルスの治療法・ワクチン開発への期待から急騰した空運株を中心に利益確定売り優勢。結局、日米市場とも「ウィズコロナ」を意識したゲームやIT・インターネットサービス株の物色に回帰している。各国政府とも政治的成果を求めがちで、治療法・ワクチン開発に前のめりとなっているが、市場参加者としてはその有効性を慎重に見極めたいと考えているのかもしれない。

 新興市場ではマザーズ指数が反発。直近上場のティアンドエス<4055>は続伸し、上場2日目のインタファクトリ<4057>はなお買い注文が大幅に超過し、初値を付けていない。ただ、マザーズ市場全体として良好な需給状況を背景に先週から大きく値上がりしてきたため、高値警戒感などからやや上値が重くなってきた印象もある。短期の回転売買が中心とみられるため、そのあたりを割り切って取引参加する必要があるだろう。

 アジア株式市場でも中国・上海総合指数や香港ハンセン指数が小動き。ドル・円相場は1ドル=106.40-50円近辺で一進一退となっている。前引けでTOPIXは0.35%の下落となっているが、前日の大幅高を考えると日銀による上場投資信託(ETF)買い実施は期待しづらいか。後場の日経平均は引き続き小安い水準でのもみ合いになるとみておきたい。

 さて、前述したジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長の講演は日本時間27日夜に予定されている。講演内容は「金融政策の枠組み見直し」。これまで投資マネーは緩和長期化を先取りし、米ハイテク株などに流入してきた。しかし、パウエルFRB議長が示す今後の金融政策の方向性が市場の期待に沿うものか、慎重に見極める必要があるだろう。これまでの流れを考慮すれば、講演後に材料出尽くし的な動きが広がる可能性があることも念頭に置いておきたい。
(小林大純)


<AK>

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