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FOMC結果や新政権への期待は織り込み済みとの見方も

後場の投資戦略
[日経平均株価・TOPIX(表)]

日経平均;23301.46;-174.07TOPIX;1636.02;-8.33

[後場の投資戦略]

 昨日から今日にかけて、注目の記者会見が相次いでいる。ごく簡単に見ておこう。
まず、菅首相の記者会見。これまでの金融財政政策が継続されるのかどうかが焦点だったが、菅首相は、金融緩和、財政支出、成長戦略の3本を柱とする「アベノミクス」を継承することを明言した。想定内とは言え株式市場にとって最大級の支援要因だろう。財政政策を担う麻生財務・金融相は会見で「財政や財政投融資を活用し、景気を戻していくのが今の大きな要素だ」と述べており、また、黒田日銀総裁の任期は2023年まで続くことから、現場レベルでも従来の金融財政政策には殆ど変化がないと見て良いだろう。

 次に米国。FOMCでは少なくとも2023年末までゼロ金利政策を維持する方針が表明された。パウエルFRB議長もFOMC後の会見で低金利政策を続けると約束した。これまでの緩和政策が継続することとなる。

 FOMCの結果発表を受け、昨日の米国株式市場でダウ平均は一旦上昇したものの、取引終了にかけて伸び悩んだ。一部では、FOMC参加者の経済見通しが前回公表時よりも弱かったことが警戒されたとの見方もあるようだが、これは株式市場にとってはむしろ好材料かもしれない。経済見通しが強気であれば追加緩和の余地が小さくなるが、経済の先行きに警戒感が高まるほどに追加緩和の可能性が高くなる。新型コロナにより経済見通しが総悲観とも言える今年3月に今回の株高が始まったことを思い起こしたい。

 再び日本。今日午後は黒田日銀総裁の記者会見が予定されている。金融緩和策の維持や菅政権との協調姿勢が示されると見られている。注目しておきたい。

 さて、後場の東京株式市場で日経平均はもみ合いとなりそうだ。FOMCや新内閣発足に関連した材料は株価に次第に織り込まれてきている。その中で、今日15時30分に予定されている黒田日銀総裁の会見内容を確認したいとのムードが広がり、積極的な売買が見送られる可能性もありそうだ。ただ、前場のTOPIXの下落率が0.51%で、日銀によるETF買いの思惑が働く可能性もある。


<AK>

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