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米追加経済対策の協議結果待ちで方向感定まらず

後場の投資戦略
[日経平均株価・TOPIX(表)]

日経平均;23676.90;+109.86TOPIX;1640.16;+14.42

[後場の投資戦略]

 一昨日19日の当欄で、新型コロナのワクチンや治療薬の開発・普及は感染を収束させ、景気回復への「期待」が「現実」のものとなり「株価=景気/金利」の右辺・分子の景気を押し上げると書いた。一方、FRBは少なくとも2023年までゼロ金利政策を維持する方針を示しているため、分母の金利は小さいままで、分子が大きくなり、株価は上昇を速める。世の中で「バブルだ」「株価上昇は十分説明がつく」などと議論が喧しくなる中、株価はとめどなく上昇するかもしれない。しかし、その後に来るものは。

 1980年代、日本はバブル景気に沸いた。株価は糸が切れた凧のように上昇した。しかし1990年に入ると市場の様相は一変。株価は奈落の底に落ちていくことになる。後の検証では、この時のバブルの発生や崩壊は、その多くの部分が金融政策の遅れによってもたらされた、とするものが多い。バブル景気を放置し金融を引き締めず、バブルが爛熟したのちに一気にバブルつぶしに走り、バブルは弾けた。そして日本は今日に至るまで長い長い「失われた時代」を歩むことになる。

 今回、世界経済が当時の日本と同じ道を辿らないために最も重要なことは、金融当局のハンドリングだろう。新型コロナのワクチンや治療薬の開発・普及と同時にアフターコロナの世の中の幕が開く。そこでは人々の歓喜の中でバブルが産声をあげている。金融当局のハンドリングが後手に回れば、そこは歓喜に満ちた世の中の幕開けでなく、世界規模での「失われた時代」の入り口となるかもしれない。時代は時に、多くの人の思惑とは別の道を辿るものだ。少し先の話ではあるが心しておきたい。この件についてはもう少し考えてみたいが、紙面の都合で次の機会に回す。

 さて、後場の東京株式市場で日経平均はもみ合いとなりそうだ。前場は日経平均が上げ幅を縮めた場面では押し目買いも指摘され、物色意欲は強いと見られる。一方、米追加経済対策の協議内容に関する情報待ちという状況は継続しそうで、上値追いには慎重なムードとなりそうだ。
(小山 眞一)


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