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日経平均は反落、中小型株に需給調整広がるが…

後場の投資戦略
[日経平均株価・TOPIX(表)]

日経平均;23,454.85;-184.61TOPIX;1,618.19;-19.41

[後場の投資戦略]

 東京市場は現物株・株価指数先物とも薄商いが続くなか、海外勢の短期的な先物売買により相場全体が上下する格好だ。ここ数日の先物手口を見ると、日経平均先物ではJPモルガン証券、東証株価指数(TOPIX)先物ではクレディ・スイス証券が日々売り越しと買い越しを繰り返すといった流れになっている。全体としては持ち高を一方向に傾けようとする動きは乏しい。また、日銀による上場投資信託(ETF)買い入れは引き続き相場の下支え役として機能している。本日もTOPIXが1.19%の下落で前場を折り返しているため、後場はETF買いが実施される公算が大きい。

 ただ、中小型株の手仕舞い売りがかさんでいるのは短期的な懸念材料だ。前場のマザーズ指数は4%近い下落となり、1200pt台後半に位置する25日移動平均線水準まで調整が進んだ。マザーズ銘柄の信用買いは記録的な水準に膨らんでいたし、直近で商いを伴い急騰する銘柄も多かっただけに、需給調整を強いられるとの懸念はあった。まずはマザーズ指数が25日線水準で踏みとどまるか見極めたいところだが、同線を割り込んでくるようなら株式相場全体にも影響が波及する可能性がある。

 ネットショップ作成支援のBASE<4477>を中心に、新興ハイテク株の4-6月期の業績モメンタム(勢い)は総じて強く、コロナ禍での「ニューノーマル(新常態)」進展や菅新政権のデジタル化推進という追い風も加わって、マザーズ指数は3月13日安値527.30pt(取引時間中)から10月14日高値1368.19pt(同)までおよそ2.6倍に上昇。
一時2018年高値をも上回った。株価指標面で見れば、マザーズ指数の上昇をけん引してきたBASEなどは将来の成長期待をかなり織り込んでいるとの見方を筆者も否定しない。

 ただ、一足先に発表を終えた6-8月期決算では、ITコンサルに強みを持つ東証1部のベイカレント<6532>が好調ぶりを見せたほか、マザーズ上場企業でも名刺管理サービスのSansan<4443>などが高評価を得た。7-9月期決算発表を前に、既に企業向けクラウドサービスのラクス<3923>などは業績上方修正を発表している。IT技術の活用ニーズが堅調であることが窺える。7-9月期決算は新興ハイテク企業の業績モメンタムの強さを再確認する場となるかもしれない。もちろん、菅政権が引き続きデジタル化に邁進することで、政策の追い風期待も根強く残るだろう。

 決算を前にした中小型株の需給調整が、新興ハイテク株の押し目買い好機となる可能性があることも念頭に置いておきたい。
(小林大純)


<NH>

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