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ダウ平均下落や円高傾向など嫌気

後場の投資戦略
[日経平均株価・TOPIX(表)]

日経平均;23410.76;-75.04TOPIX;1607.61;-9.92

[後場の投資戦略]

 20年4-9月期決算発表が本格化している。決算発表が近づくと「業績の良さそうな銘柄を早めに見つけて買っておこう」というような考えにもなりがちだが、投資手法として正しいだろうか。一昨日26日の当欄で例に挙げた銘柄について、3カ月前の4-6月期決算発表後の値動きを少し見てみる。

 まず好業績銘柄の日本電産<6594>。第1四半期(20年4-6月)決算発表は7月21日引け後。決算発表直前の株価は7848円。決算発表翌日の寄付きは473円高の8321円。好決算を予想し、先回りして決算発表直前に投資した場合は、好決算を確認した後に投資した場合に比べ、473円、率にして7%程度パフォーマンスが良くなる。小さくはない差だが、このパフォーマンス差にこだわるべきなのかは疑問だ。日本電産は今日の前場に10945円まで上昇しており、決算を確認してから投資しても十分利幅は取れたことになる。

 同じく一昨日の当欄で、4-6月期決算がさえなかった一例として取り上げたキヤノン
<7751>。同社は12月決算。中間期(20年1-6月)決算発表は7月28日引け後だった。決算発表直前の株価は2077円。決算発表翌日の寄付きは1900円。その差177円。率にして8%。もし、キヤノンが好決算だろうと予想し、先回りして決算発表直前に投資した場合、一夜にして1割近い損失となる。そしてキヤノンの株価はその後もさえず、先週には改めて年初来安値に沈んだ。保有し続ければ取り返しのつかない損失を抱えることになりかねない。

 相場の世界には様々な格言があるが、そのひとつに「売りは早かれ、買いは遅かれ」という先人の教えがある。本格化する7-9月期決算に臨むにあたって、生き馬の目を抜くような投資も良いが、気持ちに余裕をもって銘柄選択した方が結果オーライかもしれない。ちなみに上述の日本電産とキヤノンは一昨日26日引け後の決算発表と同時に通期業績予想を上方修正した。今後の株価動向をウォッチしたい。

 さて、後場の東京市場で日経平均は底堅く推移しそうだ。引き続き四半期決算への期待感が相場を下支えしそうだ。また、テクニカル面では25日移動平均線が23400円台に位置しており、ここを大きく下回ることは想定しづらいだろう。さらに、前場のTOPIXの下落率が0.61%となったことから、日銀によるETF買入れの思惑が働く可能性もある。
(小山 眞一)


<AK>

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