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「緩和的な金融政策継続」が支え

後場の投資戦略
[日経平均株価・TOPIX(表)]

日経平均;25245.92;-274.96TOPIX;1697.43;-28.80


[後場の投資戦略]

 前日のNYダウは続落、時間外取引のNYダウ先物もやや軟調に推移し、本日の東京市場では幅広い銘柄で利益確定の売りが出ている。前日に続き景気敏感系の大型バリュー(割安)株の軟調ぶりが目立ち、前引けの日経平均の下落率が1.08%だったのに対し、東証株価指数(TOPIX)は1.67%と下げが大きい。半面、任天堂など「ウィズコロナ」関連の値がさグロース(成長)株には投資資金が向かっている。

 米製薬大手ファイザーなどが開発する新型コロナワクチンへの期待から一時1%近くまで上昇した米長期金利は、足元で0.8%台後半まで押し返された。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は12日の討論会で、ワクチン開発に期待を示しつつも、経済見通しに反映させるのには時期尚早であるとし、新型コロナの更なる感染拡大に警鐘を鳴らした。イングランド銀行(英中銀)のベイリー総裁や欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁もこうした考えに呼応したという。FRBを含む主要中央銀行が当面、緩和的な金融政策を維持するとの見方が米長期金利を押し下げた。

 FRBは日本で見られたようなイールドカーブ(利回り曲線)の平たん化による金融機関のダメージを警戒し、長期金利のある程度の上昇は許容するとの見方が一般的な市場の見方だ。しかし、新型コロナ再拡大の懸念がくすぶるなか、政策効果を減殺させかねない長期金利の過度な上昇をFRBが許容するかというと疑問符が付く。「米長期金利の上昇に伴いグロース株相場は終焉」との声が増え始めたが、時期尚早だろう。なにせエムスリーなどはなお上昇基調が続いている。前日の当欄で述べたとおり、当面は新型コロナ感染状況とワクチン開発動向を睨み、景気敏感系バリュー株と「ウィズコロナ」グロース株の短期リバーサルを繰り返す相場展開が続くとみられる。

 日本株全体としても、リスクシナリオが顕在化した際の主要中銀による追加緩和への期待、それに日銀の上場投資信託(ETF)買い入れによる下支えで底堅く推移するだろう。本日も前引け時点でのTOPIX下落率を考慮すると、日銀のETF買いが実施される公算は大きい。やや上値追い機運が乏しくなってきただけに、日経平均はまたぞろ25000〜26000円あたりでこう着する可能性もありそうだ。
(小林大純)


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