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コロナ再拡大で「楽観シナリオへ一直線」とはならず

後場の投資戦略
[日経平均株価・TOPIX(表)]

日経平均;25566.93;-161.21TOPIX;1716.30;-4.35


[後場の投資戦略]

 国内外での新型コロナ感染拡大や規制再強化の動きを受け、本日の日経平均も3ケタの下落で前場を折り返した。ここまでの東証1部売買代金は1兆円あまりで、最近としてはやや低調か。個別の騰落状況も重ねると、積極的な売りこそ少ないものの、直近値上がりしていた銘柄に利益確定の売りが出ている印象だ。また、景気敏感株から
「ウィズコロナ」グロース株への物色シフトも見られる。ただ、マザーズ指数は上値が重く小幅反落。直近の株価乱高下で株式需給の悪化した銘柄が少なくないとみられ、手掛けづらさが意識されやすいかもしれない。それが新規上場銘柄に関心を向かわせているのか、アララ<4015>はまだ買い気配のまま初値が付いていない。

 当欄では従来、目先の株式相場の動向として「日経平均は25000〜26000円でのもち合い」「セクター・ファクターでは短期リバーサルの繰り返し」と予想していたが、ここまでこうした想定に沿った動きと言えるだろう。

 ここ数日の先物手口を見ると、BofA証券など主だった外資系証券の買い越しが一服。やはり海外実需筋の買い戻しはある程度進んだとみるべきだろう。また、クレディ・スイス証券は18日、日経平均先物を買い越す一方、TOPIX先物を売り越した。一時は商品投資顧問(CTA)などの短期筋が日本株先物のロングポジション(買い持ち)拡大に動くとの見方もあったが、そうした兆候は見られない。「様子見に転じた」との見方が出ていることと符合する。

 米国では「ニューヨークでロックダウン(都市封鎖)が拡大すれば株売り」とのトレーダーの話が出てきている。公立学校が閉鎖されたことを考慮すると、一段の規制強化が警戒されるのもやむを得ないだろう。

 また、国内に目を向けても東京都の18日の新型コロナ新規感染者数は493人と過去最多を更新。都は警戒レベルを4段階の最上位に引き上げており、再び飲食店等が営業自粛に追い込まれる懸念もくすぶる。

 足元の感染拡大への警戒感から「ワクチンラリー」も一服といったところかもしれない。やはり「景気敏感株主導での日経平均の一段高」という楽観シナリオへ一直線というわけにはいかないだろう。TOPIXが0.25%の下落で前場を折り返しているため、日銀の上場投資信託(ETF)買いによる支援も期待しづらく、後場の日経平均は軟調もみ合いが続きそうだ。
(小林大純)


<AK>

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