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日経平均は続伸、「乗り遅れまい」というムードが最大の押し上げ要因

後場の投資戦略
[日経平均株価・TOPIX(表)]

日経平均;26470.28;+173.42TOPIX;1775.55;+7.88

[後場の投資戦略]

 日経平均は国内外の新型コロナ感染拡大と景気下押し懸念を背景に反落して始まったが、すぐさまプラスに切り返し、地合いの良さを印象付けた。米ハイテク株高の流れを引き継いで値がさグロース(成長)株を中心に買いが入っているが、景気敏感系の大型バリュー(割安)株も大きく下押ししているわけでなく、前引けでの上昇率は日経平均の0.66%に対し、東証株価指数(TOPIX)も0.45%としっかり。新型コロナワクチンの実用化期待などが株価の下支え要因として挙げられているが、足元の感染拡大とともに「巣ごもり」の代表格とされる任天堂が買われているあたりを見ると、
「株高に乗り遅れまい」というムードこそが最大の上昇要因だろう。

 日本電産やエムスリーは上場来高値(株式分割考慮)を大きく更新。一定期間内で結果を出すことが求められる機関投資家はバリュー株のリバーサル(株価の反転上昇)への関心が高いが、一方で投資期間に制約のない個人投資家にとっては「着実に企業価値を向上する企業」への投資が肝要であることを改めて確認できる。

 半面、日経平均は26500円を前に上値が重く、前日の高値26706.42円には遠い。前日は朝方に高値を付けたのち失速する格好となり、東証1部売買代金も3兆1507億円まで膨らんだことで、目先ピークを付けた印象はある。例年、米国では感謝祭を過ぎると休暇入りする市場関係者が多いが、今年はここまであまりリスクを取らずにきたことで、早々に休暇ムードになっているという話も伝わっている。年内は海外投資家が相場をけん引するシナリオを描きにくくなるかもしれない。

 また、日経平均の株価純資産倍率(PBR)は1.2倍近くまで上昇。これは米中対立の激化懸念が一段と強まった2018年12月以前の水準であり、バリュエーション的には経済の正常化期待をある程度織り込んでいるとも言えるだろう。国内外で新型コロナ感染拡大と規制再強化の動きが広がり、足元の景気下押しリスクがくすぶるなか、バリュエーションが一段と向上するかは見通しづらい。

 新興市場でもマザーズ指数の上値が重いが、12月にIPO(新規株式公開)ラッシュを控え、需給悪化の懸念がくすぶる。

 これまでの株価上昇に乗り遅れた投資家の買いで日経平均は堅調に推移するだろうが、一段高に向かうには少々時間を要するとみておきたい。
(小林大純)


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