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「海外勢休暇入りで個人主体」が鮮明

後場の投資戦略
[日経平均株価・TOPIX(表)]

日経平均;26506.97;-30.34TOPIX;1782.72;+4.47


[後場の投資戦略]

 前場の日経平均は方向感に乏しい展開だったが、ひとまず前引けでは26500円台をキープし、まだまだしっかりした地合いというところだ。引き続き値がさグロース(成長)株を中心に買いが入っているが、東証1部全体としてもおよそ6割の銘柄が上昇し、東証株価指数(TOPIX)は0.25%の上昇で前場を折り返した。半面、ファーストリテ<9983>やダイキン<6367>は上値が重く、日経平均の押し下げ役となっている。自動車株や銀行株といった大型バリュー(割安)株もさえない。米感謝祭を挟んで海外投資家の取引参加は減っているとみられるが、ここまでの東証1部売買代金は1兆2000億円あまりとなっている。

 前日の市場動向を振り返ると、東証1部の売買代金は2兆4793億円とまずまずの水準だったが、株価指数先物の売買高は低調。先物手口を見ても、外資系証券に目立った動きはなかった。また、マザーズの売買代金は1449億円と4月23日以来、およそ7カ月ぶりの低水準だった。従来人気だった新興株も、直近の需給悪化や値動きの悪さで敬遠ムードが広がりつつあるのだろう。インターネット証券大手の売買代金ランキングからはマザーズ銘柄がいなくなり、代わって顔を出すようになってきたのは日本電産<
6594>、東エレク<8035>、エムスリー<2413>といった高値更新基調の主力グロース株だ。

 これまでも度々当欄で予想してきたとおり、11月第1〜2週にかけての海外投資家の現物株・株価指数先物の買いはおおむね一服し、現在は個人投資家による主力グロース株の回転売買が相場全体をけん引している構図が浮かぶ。

 東京証券取引所が発表している投資部門別売買状況によると、外国人投資家は8月第1週から10月第4週までにTOPIX先物を7000億円あまり売り越したが、11月第1〜2週にはおよそ6700億円買い越した。実需筋の買い戻しはある程度進んだとみていいだろう。
また、日経平均先物は8月第1週から10月第4週までの売り越しが1500億円あまりにとどまる一方、11月第1〜2週におよそ9200億円買い越した。短期筋はある程度買い持ち高を増やしていると考えられる。

 前日述べたが、米国では例年、感謝祭を過ぎると休暇入りする市場関係者が多く、今年は大統領選などの重要イベントがあって持ち高をあまり傾けていなかったため、既に休暇ムードが強いという。先物の売買動向と重ねると、11月第2週までにおおよそ持ち高を整理・構築して休暇入りしたのかもしれない。

 一方、個人投資家は11月第1〜2週に現物株を1兆1000億円あまり売り越した。その後、株式相場が一段高となり、「株高に乗り遅れまい」という思惑から再び買いを入れているのだろう。足元、日経レバETF<1570>の純資産総額がじりじり増加しているところからもそうした思惑が透けて見える。11月第1〜2週に個人投資家が得た1兆1000億円という資金の大きさを鑑みると、足元の相場の底堅さが理解できる。

 とはいえ、年末にかけて海外投資家の取引参加が減るとなると、株式相場全体に大きなトレンドは出にくいかもしない。
(小林大純)


<AK>

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