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「国内勢売りvs海外勢買い」と個別物色に見る投資家の腐心

後場の投資戦略
[日経平均株価・TOPIX(表)]

日経平均;30344.97;+52.78TOPIX;1950.96;-10.53


[後場の投資戦略]

 本日の日経平均は小幅に反発して前場を折り返した。ただ、ファーストリテの寄与が大きく、東証株価指数(TOPIX)はといえば0.54%の下落。また、東証1部全体では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を大きく上回っている。日経平均はまずまず底堅い印象だが、株式相場全体としては利益確定売り優勢と言えるだろう。

 日経平均は16日後場に取引時間中の高値30714.52円を付けてから失速、17日は反落となっていた。日証金<8511>が発表している貸借取引残高を見ると、2月第2週の初めにかけて積み上がった日経レバETF<1570>の売り持ちが16日以降、急速に解消されたようだ。今週前半に日経平均が想定以上に強い値動きを見せ、買い戻しを迫られた格好だろうが、個人投資家の高値警戒感が払しょくされたとは考えづらい。

 また、ここ数日の先物手口を見ると、16日はSBI証券が日経平均先物の売り越しトップ、17日はみずほ証券が日経平均先物、TOPIX先物とも売り越しトップだった。個人投資家のみならず、機関投資家も含め国内勢は総じて売り目線といった印象を受ける。

 しかし、外資系証券のまとまった先物売りは観測されていない。米バンク・オブ・アメリカ(BofA)が16日公表したグローバルファンドマネジャー調査によれば、世界の景気見通しは調査開始以来で最も強気。足元の株高は「バブル」という回答は13%
にとどまったという。また、現金比率は過去8年間で最低となる一方、株式・商品の配分は10年間で最高となった。世界的に見れば機関投資家の強気姿勢が後退したわけでなく、日本株は「国内勢売りvs海外勢買い」の構図となっているのだろう。もちろん、海外機関投資家が総じて強気に傾いてきたことは先行きへの懸念でもあり、BofAも「弱気になる唯一の理由」と指摘している。

 個別銘柄の物色動向を見ると、やはり投資家が腐心していることが窺える。株式相場全体が大きく底上げされてしまい、一段の上昇が狙えるのはファーストリテのような「クオリティー(優良)株」との見方が強まっているのだろう。また、コロナ禍のダメージが大きく、なお出遅れ感の強い空運株などにもワクチン普及に期待した買いが入っているとみられる。ここから「買える銘柄」が乏しくなってきた感は拭えないが、それでも投資家は何とか「買える銘柄」を探そうとしているようだ。

 高値警戒感をはらみつつも、まだまだ「株買い」を模索する動きは続きそうだ。
(小林大純)


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