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米長期金利上昇を警戒するムードも

後場の投資戦略
[日経平均株価・TOPIX(表)]

日経平均;30250.83;+232.91TOPIX;1943.72;+14.77


[後場の投資戦略]

 先週は日経平均が一時30000円の大台に乗せ、ニュースでも、バブル相場以降の高値を30年半ぶりに上回ったと報じられていた。この機会に、今回の状況と、バブル相場で高値となった当時を比べてみる。今回の高値は先週16日の30467円(終値ベース、以下同じ)。バブル相場時の高値(1989年12月29日の38915円)を21%下回っている。ところが、一部で指摘されているが、これをドル建てに換算すると、先週の日経平均はバブル相場時の高値を6%ほど上回っている。当時に比べ為替が円高・ドル安に振れているためだ。

 業種別に少し細かく見てみる。日経500種平均株価(業種別日経平均株価)を使う。
36業種のうち、先週16日にバブル相場時の高値をドル建てで上回ったのは6業種。上昇率が最も大きいのは精密機器で、バブル相場当時の6.5倍になっている。次いで電気機器が3.0倍、以下、商社、医薬品、小売業、自動車。逆に、バブル相場時を大きく下回っているのが空運。当時と比べ96%も低い水準だ。次に造船が91%下落。このほか、海運、鉱業、銀行、鉄鋼が80%を超す下落となっている。空運はコロナの影響も大きいが、やはり、韓国や中国などの新興勢との競争に苦しんだ業種が厳しい。

 一方、米国株を見ると、1989年12月のダウ平均は2753ドル。先週は当時の11倍を超す水準にある。日米のパフォーマンス格差は歴然だ。ただ、ここで注意をしなければならないのは、日経平均にしろダウ平均にしろ、当時とは銘柄が入れ替わっており、上記の業種別指数も含め、30年以上前の当時と現在では、指数の構成銘柄はかなり異なっているということだ。この点、機会があればもう少し考えてみたい。

 さて、後場の東京市場で日経平均はもみ合いとなりそうだ。景気回復期待を背景にした相場の先高観は引き続き強い。一方、先週末まで日経平均は3日続落となったものの、今日の前場で25日移動平均線との乖離率はプラス4%台と依然やや高く、日柄調整が必要との指摘もある。東京市場は明日が天皇誕生日の休場となることに加え、23-24日にはパウエルFRB議長の米上下両院での議会証言が予定されており、証言を受けた米長期金利の動向を見極めたいとする向きもあり、やや様子見ムードが広がる可能性もありそうだ。
(小山 眞一)


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