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米金利高などが重しとなるもグロース株は上昇!?

後場の投資戦略
[日経平均株価・TOPIX(表)]

日経平均;29200.21;-232.49TOPIX;1965.10;-12.76


[後場の投資戦略]

 日経平均は月内最終日が弱いというジンクスも意識されやすいなか、米長期金利の上昇や米投資会社を巡る混乱などが重しとなり、本日の日経平均は軟調となっている。しかし、一時は前日比250円超安の29165.52円まで下押しした後は200円近く戻す場面が見られるなど底堅い印象も受ける。

 米投資会社アルケゴス・キャピタル・マネジメントを巡る混乱については、米国内大手金融各社が関連取引による影響はあったとしても「軽微」だと表明するなど一時は警戒感が後退していた。ただ、前日の取引終了後には、三菱UFJ傘下の三菱UFJ証券ホールディングスが、欧州子会社での米顧客との取引において多額の損失が生じる可能性があると発表するなど関連報道が相次ぎ、いまだ全体像が把握できていないために懸念がくすぶっている。

 また、米長期金利が14カ月ぶりの高水準にまで上昇してきたこともやや警戒感を引き起こしているようだ。ただ、先日までの金利高に敏感になっていた時に比べれば、日米ともに主要株価指数の下落率はかなり軽微だ。前日の米株市場では、金利上昇に相対的に弱いナスダックやフィラデルフィア半導体指数(SOX指数)などの下落率は0.1〜0.3%程度で、NYダウなどと同じかむしろ小さい。

 東京市場も同様に、直近までの金利上昇時に売りがきつかったグロース(成長)株の下落率は軽微だ。景気敏感株などその他のセクターと比べても下落率は変わらない。とういよりも、むしろ、ソニー、日本電産、エムスリーなど代表的なところでは目立って大きく上昇しているものが多い。東京エレクトロンにいたっては、ザラ場高値で上場来高値を更新する動きを見せるほどだ。また、バリュエーション面で割高感が最も意識されやすいマザーズ指数についても、自律反発の域を出ないとも言えるが、本日はしっかりと上昇している。

 米長期金利については、今夜発表される予定のバイデン大統領による大規模なインフラ投資計画の詳細のほか、ADP全米雇用リポートや週末の雇用統計といった経済指標の上振れ次第などでは一段の上昇の可能性は十分にある。しかし、本日の日米のグロース・ハイテク株の堅調さ・底堅さをみる限り、月曜日にも当欄で指摘したが、やはり、金利耐性は大分ついてきているのではないだろうか。

 これまで、加速する景気回復シナリオ、米長期金利の上昇、期末にむけてのリバランス売りなど相次ぐ要因により、グロース株は2月頃から長い間調整を強いられてきた。しかし、足元の金利上昇に対して垣間見える耐性などを踏まえると、名実ともに新年度相場入りとなる明日4月以降は、潮目が変わってくるかもしれない。長期的には、この先も景気回復に伴う金利上昇は避けられないため、グロース株に昨年ほどの圧倒的な強さが再び見られることはないだろう。

 しかし、これまでのように純粋シクリカル(景気循環)なバリュー(割安)株に大きく劣後するようなことにはならないのではないだろうか。ここからは、単純にバリュー・グロースという二極化でなく、業績推移とそれに比してのバリュエーションという個々の評価で決まってくる、本来の株式相場の様相がこれまで以上に強まってくると考えられる。バリューの中でも、グロースの中でもそれぞれの中で厳しい選別がされてくることになるだろう。

 さて、後場は引き続き軟調な展開となりそうだ。今夜のインフラ投資計画の詳細発表に対する米国株式や米長期金利の反応などを見極めたいとする様子見ムードが強まるなか、月内最終日が弱いというジンクスも意識され、大引けにかけて下値模索となる可能性にも留意しておきたい。


<AK>

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