「米インフラ計画合意」でひとまず29000円台回復も…
[21/06/25]
提供元:株式会社フィスコ
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後場の投資戦略
[日経平均株価・TOPIX(表)]
日経平均;29093.00;+217.77TOPIX;1960.25;+13.15
[後場の投資戦略]
バイデン米政権と超党派議員でのインフラ計画合意が好感され、本日の東京市場でも日経平均が節目の29000円を上回って前場を折り返した。業種別でも景気敏感色の強い市況関連株が堅調。但し、今週急伸した海運株は利益確定売り優勢だ。ここまでの東証1部売買代金は1兆円あまり。新興市場ではマザーズ指数が+1.16%と4日続伸し、本日新規上場した日本電解<5759>とステムセル研究所<7096>、それに前日上場したベイシス<4068>が初値を付けている。
日経平均の日足チャートを見ると、29000円を上回る場面での戻り売り圧力の強さが窺われる一方、前引けでは29070円近辺に位置する75日移動平均線をやや上回ってきており、買い意欲の強さも感じられる形状だ。もっとも、最近の「買い材料待ちだった」との解説に沿えば「米インフラ計画合意」というわかりやすい材料が出た割に伸びが鈍い印象もある。東証1部売買代金は手掛かり材料に乏しかった前日から大して増えておらず、限られた投資家で短期リバーサル(株価の反転)を繰り返しているに過ぎないのかもしれない。前日の当欄で日経平均は“2月16日の年初来高値30714.52円
(取引時間中)をピークに緩やかな上値切り下げ”トレンドにあると述べたが、大きな変化が出てくるとまでは考えづらい。
その「米インフラ計画合意」だが、独立記念日に伴う休会入り(25日)より前に合意したい事情があったとされるだけに、実現に向けた一歩につながるか慎重に見極めたいところでもある。共和党上院トップのマコネル院内総務は支持の明言を避けたようだが、財源確保のため増税・課税強化ともなれば共和党内の反発は強いだろう。政権側と会談に参加した共和党上院議員側の説明に違いが見られることから、財源の詳細についてまで合意に至ったとは考えづらい。また、民主党の議会指導部からも共和党の反対する部分について実現を念押しするような発言が出ている。
もう1点、事前に協議の難航が伝わっていただけに好感する反応が出やすいのだろうが、投資規模はバイデン政権が当初提示していた2.3兆ドルから今回の合意で1兆ドル規模まで縮小している。やはり財政状況や政治的合意の困難さから大規模な経済対策は打ちづらくなったことに変わりない。
さて、日本でも東京都議会議員選が本日告示された。現有勢力は17日の当欄に記載したとおり(都民ファーストの会46人、自民党25人、公明党23人など。都議会サイトより、会派ベース、4月20日時点。定数127人・現員126人)。投開票日は7月4日となる。これも先に述べたが、コロナ禍への対応を巡り心理的なしこりが大きくなっていることを考慮すれば、ワクチン普及や東京五輪・パラリンピック開催の流れで国政与党である自民党への支持が上向くとの見方はやや楽観的な印象を受ける。
もっとも、自民党は既に次期衆院選で公明党の公認候補の推薦を決定。都議会議員選でも小池百合子都知事の支持勢力だった公明党との協力を取り付けた。また、前回は「小池旋風」を追い風に躍進した都民ファーストの会だが、今回は小池氏の積極支援が得られるか微妙な情勢だ(静養中ということもあるが、政局的に小池氏の動きを封じる構図を自民党の誰かが描いていたなら感服せざるを得ない)。都市部だけに浮動票が多く、予断を許さないが、こと政界内の動きに関して言えば雪辱を期す自民党の準備は万全といった感がある。支持率などを睨み一喜一憂する向きもあるだろうが、都議会議員選の結果そのものについては特段の波乱材料にならないと予想する。
(小林大純)
<AK>
日経平均;29093.00;+217.77TOPIX;1960.25;+13.15
[後場の投資戦略]
バイデン米政権と超党派議員でのインフラ計画合意が好感され、本日の東京市場でも日経平均が節目の29000円を上回って前場を折り返した。業種別でも景気敏感色の強い市況関連株が堅調。但し、今週急伸した海運株は利益確定売り優勢だ。ここまでの東証1部売買代金は1兆円あまり。新興市場ではマザーズ指数が+1.16%と4日続伸し、本日新規上場した日本電解<5759>とステムセル研究所<7096>、それに前日上場したベイシス<4068>が初値を付けている。
日経平均の日足チャートを見ると、29000円を上回る場面での戻り売り圧力の強さが窺われる一方、前引けでは29070円近辺に位置する75日移動平均線をやや上回ってきており、買い意欲の強さも感じられる形状だ。もっとも、最近の「買い材料待ちだった」との解説に沿えば「米インフラ計画合意」というわかりやすい材料が出た割に伸びが鈍い印象もある。東証1部売買代金は手掛かり材料に乏しかった前日から大して増えておらず、限られた投資家で短期リバーサル(株価の反転)を繰り返しているに過ぎないのかもしれない。前日の当欄で日経平均は“2月16日の年初来高値30714.52円
(取引時間中)をピークに緩やかな上値切り下げ”トレンドにあると述べたが、大きな変化が出てくるとまでは考えづらい。
その「米インフラ計画合意」だが、独立記念日に伴う休会入り(25日)より前に合意したい事情があったとされるだけに、実現に向けた一歩につながるか慎重に見極めたいところでもある。共和党上院トップのマコネル院内総務は支持の明言を避けたようだが、財源確保のため増税・課税強化ともなれば共和党内の反発は強いだろう。政権側と会談に参加した共和党上院議員側の説明に違いが見られることから、財源の詳細についてまで合意に至ったとは考えづらい。また、民主党の議会指導部からも共和党の反対する部分について実現を念押しするような発言が出ている。
もう1点、事前に協議の難航が伝わっていただけに好感する反応が出やすいのだろうが、投資規模はバイデン政権が当初提示していた2.3兆ドルから今回の合意で1兆ドル規模まで縮小している。やはり財政状況や政治的合意の困難さから大規模な経済対策は打ちづらくなったことに変わりない。
さて、日本でも東京都議会議員選が本日告示された。現有勢力は17日の当欄に記載したとおり(都民ファーストの会46人、自民党25人、公明党23人など。都議会サイトより、会派ベース、4月20日時点。定数127人・現員126人)。投開票日は7月4日となる。これも先に述べたが、コロナ禍への対応を巡り心理的なしこりが大きくなっていることを考慮すれば、ワクチン普及や東京五輪・パラリンピック開催の流れで国政与党である自民党への支持が上向くとの見方はやや楽観的な印象を受ける。
もっとも、自民党は既に次期衆院選で公明党の公認候補の推薦を決定。都議会議員選でも小池百合子都知事の支持勢力だった公明党との協力を取り付けた。また、前回は「小池旋風」を追い風に躍進した都民ファーストの会だが、今回は小池氏の積極支援が得られるか微妙な情勢だ(静養中ということもあるが、政局的に小池氏の動きを封じる構図を自民党の誰かが描いていたなら感服せざるを得ない)。都市部だけに浮動票が多く、予断を許さないが、こと政界内の動きに関して言えば雪辱を期す自民党の準備は万全といった感がある。支持率などを睨み一喜一憂する向きもあるだろうが、都議会議員選の結果そのものについては特段の波乱材料にならないと予想する。
(小林大純)
<AK>