期待織り込み決算シーズンへ?
[21/10/21]
提供元:株式会社フィスコ
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後場の投資戦略
[日経平均株価・TOPIX(表)]
日経平均;29161.71;-93.84TOPIX;2023.28;-4.39
[後場の投資戦略]
米長期金利の上昇やASML下落の影響で半導体関連と中心とした値がさ株に売りが出て、本日の日経平均はやや軟調な展開となっている。日足チャートでは29100円台に下降する25日移動平均線が位置しており、この近辺でのもみ合いといったところ。東エレクなどが日経平均の下押し役となる一方、業種別騰落率では原油などの商品高により市況関連セクターが上昇率上位に並んでいる。ここまでの東証1部売買代金は1兆1000億円程度にとどまっており、1日を通じても2兆円台前半まで減少する可能性がある。
一昨日の当欄で指摘したとおり、取引参加者は広がりを欠くのだろう。
新興市場でもマザーズ指数が-1.02%と続落。前日まで活況だったアスタリスク<6522>にかわり、新サービスを発表したグローバルW<3936>に物色の矛先が向いているようだ。もっとも、やはり米長期金利の上昇が重く、BASE<4477>などの主力IT株は軟調。また、エネチェンジ<4169>が急反落しているが、このところ成長期待の高い一部銘柄に短期志向の投資資金が集中していた印象は強く、荒い値動きを強いられる銘柄が増えるかもしれない。成長期待が高いといえど、株価が過熱していないかよく見極めたうえで取り組む必要があるだろう。
さて、米国では良好な決算が続き、NYダウは取引時間中の最高値を更新するところまできた。しかし、ASMLや動画配信のネットフリックスなど決算発表後に売られる銘柄も散見されるようになった。有力ハイテク企業を中心に事前の期待がかなり高まっているとみた方が良いかもしれない。
日本株ではどうか。日本経済新聞社が公表している日経平均のPER(株価収益率)は20日時点で14.24倍、PBR(株価純資産倍率)は1.31倍となっている。PBRは3月決算企業の通期決算発表が一巡した5月半ば以降で最も高い水準だ。なお、EPS(1株当たり利益)やBPS(1株当たり純資産)が足元やや減少しているため、PER・PBRとも9月高値時をやや上回っている。上期決算発表と前後して通期業績予想の上方修正が期待されるが、バリュエーション的には既にある程度織り込んでいるとの見方もできる。
取引状況を見ても、現物株の売買代金が減少してきたほか、株価指数先物についてもここ数日は外資系証券の目立った買い越しが見られなくなってきた。当欄では日経平均の上値めどを足元29000円強としていたが、やはり29500円手前で伸びが鈍った格好だ。国内でも本日はディスコ<6146>、明日は中外薬<4519>の決算発表が予定され、来週からはいよいよ主要企業の発表が相次ぐ。日経平均はある程度期待を織り込みつつ、29000円水準で決算発表シーズンを迎えることになりそうだ。
なお、海外でも注視すべきことは山積みだ。米国では商品高とともにインフレ懸念が根強く残ることが気掛かり。また、本日もインテルやAT&Tなどの決算発表が予定されている。経営危機に陥っている中国恒大集団は本日、9月23日に予定されていた米ドル債の利払いについて猶予期限を迎える。19日期日だった人民元債の利払いは実施したもようで、すぐに事業整理や法的整理に至るわけでないとみられているが、他の不動産会社を含め資金繰り不安が長期化しそうなのはむしろネガティブかもしれない。
(小林大純)
<AK>
日経平均;29161.71;-93.84TOPIX;2023.28;-4.39
[後場の投資戦略]
米長期金利の上昇やASML下落の影響で半導体関連と中心とした値がさ株に売りが出て、本日の日経平均はやや軟調な展開となっている。日足チャートでは29100円台に下降する25日移動平均線が位置しており、この近辺でのもみ合いといったところ。東エレクなどが日経平均の下押し役となる一方、業種別騰落率では原油などの商品高により市況関連セクターが上昇率上位に並んでいる。ここまでの東証1部売買代金は1兆1000億円程度にとどまっており、1日を通じても2兆円台前半まで減少する可能性がある。
一昨日の当欄で指摘したとおり、取引参加者は広がりを欠くのだろう。
新興市場でもマザーズ指数が-1.02%と続落。前日まで活況だったアスタリスク<6522>にかわり、新サービスを発表したグローバルW<3936>に物色の矛先が向いているようだ。もっとも、やはり米長期金利の上昇が重く、BASE<4477>などの主力IT株は軟調。また、エネチェンジ<4169>が急反落しているが、このところ成長期待の高い一部銘柄に短期志向の投資資金が集中していた印象は強く、荒い値動きを強いられる銘柄が増えるかもしれない。成長期待が高いといえど、株価が過熱していないかよく見極めたうえで取り組む必要があるだろう。
さて、米国では良好な決算が続き、NYダウは取引時間中の最高値を更新するところまできた。しかし、ASMLや動画配信のネットフリックスなど決算発表後に売られる銘柄も散見されるようになった。有力ハイテク企業を中心に事前の期待がかなり高まっているとみた方が良いかもしれない。
日本株ではどうか。日本経済新聞社が公表している日経平均のPER(株価収益率)は20日時点で14.24倍、PBR(株価純資産倍率)は1.31倍となっている。PBRは3月決算企業の通期決算発表が一巡した5月半ば以降で最も高い水準だ。なお、EPS(1株当たり利益)やBPS(1株当たり純資産)が足元やや減少しているため、PER・PBRとも9月高値時をやや上回っている。上期決算発表と前後して通期業績予想の上方修正が期待されるが、バリュエーション的には既にある程度織り込んでいるとの見方もできる。
取引状況を見ても、現物株の売買代金が減少してきたほか、株価指数先物についてもここ数日は外資系証券の目立った買い越しが見られなくなってきた。当欄では日経平均の上値めどを足元29000円強としていたが、やはり29500円手前で伸びが鈍った格好だ。国内でも本日はディスコ<6146>、明日は中外薬<4519>の決算発表が予定され、来週からはいよいよ主要企業の発表が相次ぐ。日経平均はある程度期待を織り込みつつ、29000円水準で決算発表シーズンを迎えることになりそうだ。
なお、海外でも注視すべきことは山積みだ。米国では商品高とともにインフレ懸念が根強く残ることが気掛かり。また、本日もインテルやAT&Tなどの決算発表が予定されている。経営危機に陥っている中国恒大集団は本日、9月23日に予定されていた米ドル債の利払いについて猶予期限を迎える。19日期日だった人民元債の利払いは実施したもようで、すぐに事業整理や法的整理に至るわけでないとみられているが、他の不動産会社を含め資金繰り不安が長期化しそうなのはむしろネガティブかもしれない。
(小林大純)
<AK>