オミクロンショックは早くも織り込み済み?
[21/11/29]
提供元:株式会社フィスコ
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後場の投資戦略
[日経平均株価・TOPIX(表)]
日経平均;28746.49;-5.13TOPIX;1977.20;-7.78
[後場の投資戦略]
週明けの日経平均は続落も、想定以上に底堅いとの印象を抱いた投資家が多いだろう。夜間取引の日経平均先物は安値で27510円と、既に急落していた週末日中取引の終値から更に1000円超も下げる急落ぶりを見せていただけに、現物の日経平均の28000円割れは避けられないとの見方が多かったと思われる。
しかし、実際には、週明けの日経平均は28000円よりは大分上の水準で始まり、前週末終値とほぼ同水準まで下げ幅を縮小した。先週末に欧米市場に先んじて急落していただけに、下げが限定的となるのは当然ともいえるが、やはり、インパクトのある夜間取引の動きを踏まえると、安堵感が強い。先週末については、米国市場が感謝祭の祝日で短縮取引となるなか参加者が限られており、動きが誇張されやすかったと思われるほか、米国市場が引けた後の動きが夜間取引の日経平均先物に集中したために、下げが過度に演出されたのかもしれない。いずれにせよ、28000円台を優に維持している点は安心感を誘う。
南アフリカ発症とされる新型コロナ変異株「オミクロン株」については、まだ分かっていないことが多いため、油断はできない。感染力はデルタ株よりも高く、ワクチンの有効性が低下する可能性も指摘されている。しかし、その後、米製薬大手ファイザーと共同開発した独ビオンテックは、新たな変異株に合わせたワクチンを100日以内に出庫できると言及したほか、米バイオのモデルナは、オミクロン株に対応する最初の実験用ワクチンを60〜90日で作成し、来年早々には改良したワクチンを提供できる可能性を示した。
さらに、世界保健機関(WHO)によれば感染報告は比較的軽症となりやすい大学生だったようだが、今回の変異株について最初に警告を発した医師を含め南アフリカ共和国の医療専門家らは、オミクロン株に感染した人の症状はこれまでのところ軽いとも報告している。
まだ予断を許さない段階ではあるが、このように変異株に対しては明るい兆しが見られている。また、パンデミック発生当初と異なり、これまでの約2年間で世界はワクチンや治療薬の開発のほか、未知のウイルスとの向き合い方についても心得ている。
マーケットは不透明感をもっとも嫌うとされているが、その段階が、変異株が伝わった先週末だとすれば、最悪については既に相当程度織り込んだとも捉えられる。実際、今日の前場までの動きをみる限り、そうした見方が裏付けられたようにもみえる。ニュースフロー次第で、今後も相場は乱高下するだろうが、過度な悲観も楽観も抱くことなく、常に冷静さを保っておきたい。
なお、今晩はパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長とニューヨーク連銀総裁がオンラインイベントの冒頭で挨拶をする予定。足元の変異株拡大に対して、パウエル議長がどのような認識を示すのか、発言が注目される。
今週は週末の米雇用統計のほか、経済指標の発表が多い。週明けの米国市場が下げ止まるのかどうかや、パウエル議長の発言なども見極めたいとの思惑もあり、後場の日経平均は前引け水準を挟んだ一進一退になるとみておきたい。
<AK>
日経平均;28746.49;-5.13TOPIX;1977.20;-7.78
[後場の投資戦略]
週明けの日経平均は続落も、想定以上に底堅いとの印象を抱いた投資家が多いだろう。夜間取引の日経平均先物は安値で27510円と、既に急落していた週末日中取引の終値から更に1000円超も下げる急落ぶりを見せていただけに、現物の日経平均の28000円割れは避けられないとの見方が多かったと思われる。
しかし、実際には、週明けの日経平均は28000円よりは大分上の水準で始まり、前週末終値とほぼ同水準まで下げ幅を縮小した。先週末に欧米市場に先んじて急落していただけに、下げが限定的となるのは当然ともいえるが、やはり、インパクトのある夜間取引の動きを踏まえると、安堵感が強い。先週末については、米国市場が感謝祭の祝日で短縮取引となるなか参加者が限られており、動きが誇張されやすかったと思われるほか、米国市場が引けた後の動きが夜間取引の日経平均先物に集中したために、下げが過度に演出されたのかもしれない。いずれにせよ、28000円台を優に維持している点は安心感を誘う。
南アフリカ発症とされる新型コロナ変異株「オミクロン株」については、まだ分かっていないことが多いため、油断はできない。感染力はデルタ株よりも高く、ワクチンの有効性が低下する可能性も指摘されている。しかし、その後、米製薬大手ファイザーと共同開発した独ビオンテックは、新たな変異株に合わせたワクチンを100日以内に出庫できると言及したほか、米バイオのモデルナは、オミクロン株に対応する最初の実験用ワクチンを60〜90日で作成し、来年早々には改良したワクチンを提供できる可能性を示した。
さらに、世界保健機関(WHO)によれば感染報告は比較的軽症となりやすい大学生だったようだが、今回の変異株について最初に警告を発した医師を含め南アフリカ共和国の医療専門家らは、オミクロン株に感染した人の症状はこれまでのところ軽いとも報告している。
まだ予断を許さない段階ではあるが、このように変異株に対しては明るい兆しが見られている。また、パンデミック発生当初と異なり、これまでの約2年間で世界はワクチンや治療薬の開発のほか、未知のウイルスとの向き合い方についても心得ている。
マーケットは不透明感をもっとも嫌うとされているが、その段階が、変異株が伝わった先週末だとすれば、最悪については既に相当程度織り込んだとも捉えられる。実際、今日の前場までの動きをみる限り、そうした見方が裏付けられたようにもみえる。ニュースフロー次第で、今後も相場は乱高下するだろうが、過度な悲観も楽観も抱くことなく、常に冷静さを保っておきたい。
なお、今晩はパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長とニューヨーク連銀総裁がオンラインイベントの冒頭で挨拶をする予定。足元の変異株拡大に対して、パウエル議長がどのような認識を示すのか、発言が注目される。
今週は週末の米雇用統計のほか、経済指標の発表が多い。週明けの米国市場が下げ止まるのかどうかや、パウエル議長の発言なども見極めたいとの思惑もあり、後場の日経平均は前引け水準を挟んだ一進一退になるとみておきたい。
<AK>