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不透明要因の長期化で底入れの兆し見えず

後場の投資戦略
[日経平均株価・TOPIX(表)]

日経平均;26161.46;-288.15TOPIX;1867.74;-13.34


[後場の投資戦略]

 祝日明けの日経平均は下値模索の展開となっている。ロシアへの経済制裁では、米国がインフラ整備や軍需産業の資金調達を担うロシア国営銀行の米国内での取引を禁止したほか、ロシア政府系ファンドなどを金融市場から遮断することを発表。欧州でもロシアを金融市場から遮断したほか、ドイツは、同国とロシアを結ぶガス輸送パイプライン「ノルドストリーム2」の承認を中止し、完全中止も「大いにあり得る」と言及した。

 一方、銀行間の国際決済ネットワークである国際銀行間通信協会(SWIFT)からロシアを排除する制裁はまだ実施されていないほか、ノードストリーム2を除けば、エネルギー関連の制裁はない。また、ロシア国営銀行との取引中止についても、最大手の銀行などは含まれていない。制裁内容が致命的なほどではないとの見方もあり、現状の株価の下落は行き過ぎとの指摘もあるようだ。確かにこれらの案は、世界経済への影響も大きいため、発動がそもそも難しいという背景もあろう。

 しかし、ロシアに対する各国の対応が、将来的な中国による台湾への動きを左右しかねない背景も踏まえれば、ロシアの出方次第では、さらなる追加制裁の可能性は拭えない。また、米ロの外相および首脳会談が中止となったことで、外交的解決への希望は薄れている。追加制裁が発動されれば、高止まりしているエネルギーや食料品の価格の一段の上昇が予想され、インフレ高進による個人消費の停滞など実体経済の落ち込みが警戒される。また、3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に、米連邦準備制度理事会(FRB)による金融引き締めに対する思惑が強まりかねない。

 米国市場ではテスラやエヌビディアといった個人投資家から人気の高い銘柄の下落率がきつくなっており、東京市場でも、レーザーテックをはじめとした半導体関連など、人気度の高い銘柄のチャート形状の悪化が鮮明となっている。コロナ禍相場の中で日米ともに積み上がったレバレッジは依然解消余地が大きいため、含み損益の悪化を通じたレバレッジの一段の解消などが懸念され、地合い悪化時の更なる下落のほか、相場反発時の上値抑制要因として働くことが想定される。

 このため、目先のリバウンドを狙った短期勝負と割り切る分にはいいが、安易な底入れ期待に基づく押し目買いには注意が必要だろう。日経平均については、26000円を割り込めば、25000円近辺までの下落余地は優に出てくる。個人投資家には慎重な対応が求められよう。

 後場の日経平均は心理的な節目の26000円を意識した正念場となる。足元の下落相場のなか、商品投資顧問(CTA)など短期筋の売り持ち高がかなり積み上がってきたようで、短期的には26000円を手前に買い戻しも考えられる。しかし、ニュースフロー次第では、26000円割れにより、一段と売りに拍車がかかる可能性もある。後場も時間外取引の米株価指数先物の推移などを睨みながら神経質な展開が続きそうだ。



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