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停戦協議に賭けた押し目買いは危うし

後場の投資戦略
[日経平均株価・TOPIX(表)]

日経平均;26393.42;-83.08TOPIX;1875.50;-0.74


[後場の投資戦略]

 週明けの東京市場はウクライナ情勢を巡る不透明感から方向感の定まらない展開。
日経平均は朝安後に早々にプラスに切り返したかと思えば、その後再びマイナスになるなど、市場参加者も先行きについて見極めがつかない様子。また、指数がマイナスな一方で、東証1部全体では値上がり銘柄数が7割近くに及び、全体的にちぐはぐな様子。値がさ株の多いハイテクやグロースの下げが相対的に大きいのだろう。

 実際、資源価格の高騰や供給網の混乱などが連想される鉱業や海運には強い動きが見られるが、半導体関連株は総じて大きく下げているものが多い。トヨタ自<7203>やデンソー<6902>などの人気EV(電気自動車)関連も冴えないところを見る限り、投資家心理は停滞したままのようだ。マザーズ指数が先週末に続き大きく上昇しているが、東証1部の主力株が手掛けにくいなか、幕間繋ぎの短期物色の域を出ないだろう。

 ウクライナ情勢を巡っては日に日に事態が悪化しており、先行き不透明感がくすぶる。ロシアのウクライナへの本格侵攻から、西側諸国によるSWIFTからのロシアの排除制裁など、当初は可能性が低いとされていたことが急速展開で相次いで起こっている。SWIFTからの排除については、世界的な燃料価格の急騰を招かないよう、全ての銀行ではなく大手銀行のみを対象とするなど、ある程度の制約をかけているようだが、既に実施済みの制裁だけでも、実体経済への影響は小さくないうえ、ここまでの経緯を踏まえれば、この先の展開にも油断はできない。

 ロシアはこうした対ロ制裁に反発し、けん制の意味も込めて核戦力をちらつかせるなど、かなり威嚇的な動きを見せている。戦争という非合理的ともいえる事態が発生するのは、偶発的な条件が重なることによるものとされている。ロシアと西側諸国がお互いに引くに引けない背景からエスカレートした動きに出れば、事態の一段の混迷化も避けられない。また、現在、ロシア・ウクライナの停戦協議が事態打開のきっかけとして期待されているわけだが、平和的な解決につながるかは不透明。交渉が物別れになった場合の、事態深刻化をむしろリスクとして警戒しておいた方がよいだろう。

 さて、後場の日経平均も引き続き26500円前後でのもみ合い展開となりそうだ。関連のヘッドラインには注意が必要だが、アジア市況が総じて軟調で、時間外取引の米株価指数先物も大きく下落しているなか、積極的な買いは期待できないだろう。今週末には米雇用統計が控えているほか、週半ばの3月2〜3日には米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長の議会証言が予定されている。内容を見極めたいとの思惑から買いが手控えられるなか、売り手優位の地合いが続きそうだ。



<AK>

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