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イベント前のヘッジ売りによる一段安に注意

後場の投資戦略
[日経平均株価・TOPIX(表)]

日経平均;26578.70;-526.56TOPIX;1875.13;-30.02


[後場の投資戦略]

 週明けの日経平均はマド空けを伴った下落で大幅続落。25日移動平均線に続き、5日線を下回り、上昇傾向にあった25日線は下向きに転換した。テクニカルの悪化が意識される形で、買いが入りづらい状況だろう。

 先週末の米株市場は終日軟調な展開。国際通貨基金(IMF)主催の討論会で、パウエル議長が利上げに積極的な姿勢を示したことを嫌気した売りが続いた。パウエル氏は
「インフレは3月にピークがあった可能性があるが、それは当てにならない」、「適切な場合は政策を厳しくするつもりである」などと発言。米国での3月の消費者物価指数
(CPI)、生産者物価指数(PPI)の結果公表後、インフレはピークを打ったとの見方が強まり、市場では一部で、年央からはFRBの引き締め姿勢が緩和されるのではないかといった期待があった。しかし、先週のパウエル氏の発言でこうした見方は修正を迫られる格好となった。

 短期金融市場はすでに5、6月に続いて、7月までの0.5ptの利上げをほぼ織り込み、6月にいたっては0.75ptの利上げまで織り込みつつある。5月FOMCではさすがに0.75ptの利上げの可能性は限りなくゼロに近く、0.5ptの利上げがほぼ確実であり、足元の市場の織り込みペースは急速だ。3月半ばから株式相場がリバウンド基調を強めるなか、特に米国市場を中心に先行きに楽観的な見方が広がっていた背景もあったため、今回の織り込みと、先週末にかけての株式市場の調整をもって楽観の修正もある程度進んだといえる。

 一方、日本国内のオプション市場の動向をみると、先週末にかけては、5月限ではプットとコールともに目立った動きはなかったが、6月限では、権利行使価格26000円のプットの建玉が大きく積み上がる動きが見られた。ゴールデンウイーク(GW)前、連休中のFOMCイベントに備えた下方リスクをヘッジする動きが出てきていると考えられる。

 ここ数週間は先物手口で海外勢の目立った動きが少なく、方向感も定まっていない様子が窺えた。そうした意味では、直近までの海外勢の持ち高は中立水準にあったとみられ、この先、イベントに備えた売り持ち高の積み上がりが強まる可能性がある。
今週、プット買いが更に進むようだと、カウンターパートであるディーラーによる先物を使ったヘッジ売りが膨らむ可能性があるため、注意が必要だろう。

 後場の日経平均は軟調もみ合いが継続しそうだ。今週は日米で市場への影響力が大きい主要企業の決算が相次ぐ。これらの結果次第では相場の方向性が決まりかねないため、見極めたいとの思惑から積極的な押し目買いは限られるだろう。
(仲村幸浩)



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