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買い戻し弱ければあく抜け感もない軟弱相場・・・

後場の投資戦略
[日経平均株価・TOPIX(表)]

日経平均;26685.71;+7.91TOPIX;1882.66;+6.08


[後場の投資戦略]

 日経平均は午前中ごろから失速し一時マイナスに転じるなど、前日の米国株高の流れに乗り切れていない。チャートでは、集中する25日、75日移動平均線に引き続き上値を抑えられる格好となっており、上値切り下げトレンドを脱する兆候すら見せることができていない。ただ、もともと前日の米国市場でも、FOMC議事要旨を無難通過したにも関わらず、年初来安値圏にあった米主要株価指数の上昇率は1%前後と、かなり物足りないものにとどまっていた。FOMC議事要旨の公表自体がそこまで大きなイベントとして捉えられていなかっただけだとは思うが、今の相場は、イベント前の買い戻しも弱ければ、イベント後のあく抜け感による上昇も見られず、完全に買い手不在の状況といえる。

 前日の当欄で指摘したことの繰り返しになるが、連日で大きく下落しているリクルートHD<6098>や三井ハイテック<6966>、SHIFT<3697>などのグロース株代表格とも呼べる銘柄が、本日もかなり弱い動きを続けている。一部の外資系金融機関では前日のナスダックの上昇を受けて、テクノロジー株の売り圧力は終了しつつあるなどとコメントしたという。しかし、一昨日に年初来安値を更新したばかりのナスダックの前日の上昇率は1.5%。一日に4-5%も下落する日が度々あったことを考えると、売り圧力が終了しつつあるとは考え難い。上述したように、今日の東京市場でのグロース株の動きを見てもまだ弱い。本当に売り圧力が終了しつつあると言えるかを判断するにはまだまだ時間をかけた観察が必要だろう。

 そうした意味では今晩の米株市場でのエヌビディアの反応は注目される。景気循環の性質とグロース株の性質を併せ持つ半導体株は、景気後退懸念と金融引き締め懸念がくすぶる今年は最悪な環境といえ、実際、かなり厳しく売り込まれており、最もパフォーマンスが悪いと言っても過言でない。そうした銘柄が予想を下回る見通しを示した時、本当にテクノロジー株の売り圧力が終了しつつあるのであれば、あく抜け感から株価はむしろ上昇するか、少なくとも想定程には下がらないといった動きが出るはずだ。エヌビディアは時間外取引で7%近く下落しているが、今晩の米株市場で実際にどれほどに下落するのかに注目したい。

 後場の日経平均はもみ合いが続きそうだ。積極的な売買が見られず、商いも盛り上がらないなか、引き続きアジア市況や時間外取引のナスダック100先物など、外部環境に応じた短期筋の動きに左右されやすいだろう。今晩の米国市場では1-3月国内総生産
(GDP)改定値のほか、コストコやダラー・ゼネラル、ダラー・ツリーといった小売企業の決算発表が予定されている。先週、ウォルマートやターゲットといった小売大手の決算が相場の急落を招いたことを踏まえると、今晩の米国市場の動きには要注目だ。
(仲村幸浩)


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