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原油に底入れ感、日銀現状維持なら押し目拾い

オープニングコメント
 29日の日本株市場は原油相場や日銀会合の結果を受けて、値動きの荒い相場展開になりそうだ。28日の米国市場は、原油相場の上昇やフェイスブック、キャタピラーといった主要企業の決算が好感され、NYダウは120ドルを超す上昇をみせた。シカゴ日経225先物清算値は大阪比15円高の17075円としっかりだったこともあり、買い先行の展開になろう。

 ただし、原油相場に振らされやすい需給状況のほか、日銀の金融政策決定会合の結果を見極めたいとする模様眺めムードが高まりやすい。その他、指数インパクトの大きいファナック<6954>は、通期計画を下方修正しており、ADR(米国預託証券)で8%を超える下げとなっており、日経平均を60円で程度押し下げる要因になる。さらに、甘利大臣の辞任による政権運営への影響を見極めたいとするムードもありそうだ。

 なお、原油相場については、ロシアが他の産油国との協調減産を探り始めたと報じられている。原油先物市場ではプットオプションが積み上がっている状況でもあり、相場の押し上げに働く可能性が期待される。決算については、ファナックが嫌気されることになるが、一方で米キャタピラーの上昇は安心感につながる。

 日銀会合の結果については、ETF(指数連動型上場投資信託)の買い入れ増額への期待は大きく、現状維持であれば嫌気されよう。しかし、米国の3月利上げが意識される中、その前に切り札を出して短期的な上昇にとどまるよりは良いだろう。ドラギ総裁の「3月に開く次回の理事会で追加金融緩和を検討する」といった時期を指定した発言の方が、効果が大きいだろう。現状維持を嫌気しても瞬間で、その後は3月に向けての緩和期待で下がらない相場展開になるだろう。バズーカは撃つ振りで十分ではないか。

<AK>

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