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米株高が意識されるなかでは下への懸念はなさそう

オープニングコメント
 21日の日本株市場はリバウンド基調が意識されるものの、引き続きこう着感の強い相場展開になりそうだ。20日の米国市場では、引き続きFOMCを受けて7月の利下げを確実視する見方が強まる中、NYダウは249ドル高となり、5月以降の調整部分を吸収している。シカゴ日経225先物清算値は大阪比30円高の21430円。円相場は1ドル107円20銭台と円高に振れて推移している。

 昨日の日経平均は続伸で21500円に迫る局面をみせており、短期筋の利益確定の動きも意識され、心理的な抵抗線を捉えてきているとはいえ、積極的な上値追いの流れにはならないだろう。ショートポジションが多く積み上がっているとも考えづらく、ショートカバーの流れが強まることも期待しづらいところである。オーバーナイトのポジションを取りに行く動きも限られると考えられ、引き続きこう着感が強まりそうである。

 また、円相場が1ドル107円台前半で推移しており、円高が重石となるほか、イランが米国の偵察ドローンを撃墜したと発表するなど、米国とイランの軍事衝突の懸念なども手掛けづらくさせよう。主要20カ国・地域(G20)首脳会議(大阪サミット)を来週に控えていることも、様子見姿勢の強まる一因となろう。

 とはいえ、下への懸念はなさそうである。大阪サミットでトランプ大統領が米中首脳会談を開催する意向を示していること。また、イランによる米無人偵察機の撃墜についてトランプ大統領は、意図的ではなかった可能性を指摘しており、小康状態といったところである。また、株主総会シーズンでもあるため、アノマリー的に下がらない。

 その他、日本株への波及効果は限られるとはいえ、トランプ大統領が再選を目指して大統領選出馬を正式表明してからの献金額が、既に合計2480万ドル(約27億円)に達したと報じられるなど、再選を意識した株価対策への期待感も高まりやすく、米株高が意識されるなかでは、下を仕掛けてくる流れにはなり難いだろう。海外勢の売り越し基調が継続しているとはいえ、日経平均は緩やかなリバウンド基調が意識されることが考えられる。


<AK>

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