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利食い優勢も2020年相場を意識した押し目拾いの動きも若干はありそう

オープニングコメント
 いよいよ2019年の大納会を迎える。2019年は米中貿易戦争など、国際政治・経済問題に揺れた1年であったが、トランプ米大統領のツイッター発言に都度振らされながらも、10月以降のリバウンドによって、2020年への期待感が高まっている。米中問題については、一先ず休戦状態であり、第1段階の署名、第2弾段階の交渉へと進む。不安要因ではあるが、それ故に日経レバ等の建玉積み上がりにみられる下落に備えた動きも表れていることから、需給状況は悪くない。

 27日の米国市場は閑散な取引ではあったが、NYダウは23ドル高となった。ナスダックは前日に節目となる9000ポイントを上回ってきたこともあり、この日は利益確定の売りに押される格好。シカゴ日経225先物清算値は大阪比70円安の23770円。円相場は1ドル109円40銭台で推移している。

 シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、やや利食い優勢の相場展開になろう。もっとも、商いは膨らみづらい需給状況でもあるため、こう着感の強い相場展開は想定内だろう。一方で、欧米市場はいずれの国・地域においても祝日明けとなるため、新年の祝日を前にある程度はポジションを取りに来る動きも意識されやすい。

 2020年は米中交渉を睨み、楽観ムードが高まりづらい中、米大統領選に向けた政策期待が意識される。中国においても米政権が代わって締め付けが厳しくなるよりは、トランプ寄りで小康状態を続ける可能性がありそう。日本では東京五輪・パラリンピックの一大イベントが開催される。五輪後の景気減速が警戒されるが、楽観でポジションがロングに傾くよりは、経済対策によって警戒ほど景気減速が軽微ともなれば、その後の上昇押し上げ要因になる。

 秋以降は米アップルの5Gスマホの発売を控えて新たな需要が生まれ、一気に5Gが本格普及することになる。これによって、IoTビジネスの拡大に伴う遠隔医療などの新たなサービス需要も出てくるであろう。日経平均は年後半からの上昇によって過熱感を警戒する声も聞かれているが、大きくロングに傾いている訳ではない。上昇ほど過熱感のない需給状況を踏まえれば、2020年相場を意識した押し目拾いの動きも若干はありそうだ。


<AK>

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