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売り一巡後はワクチン期待から底堅い値動きか

オープニングコメント
 19日の日本株市場は売り一巡後の底堅さを見極める展開になろう。18日の米国市場ではNYダウが344ドル安だった。製薬大手ファイザーが開発中の新型コロナウイルスのワクチンの最終分析で有効性が95%に達したとの発表が好感されたが、新型コロナ感染拡大でNY市が公立学校を再び閉鎖することを発表すると、引けにかけて下げ幅を拡大している。シカゴ日経225先物清算値は大阪比60円安の25640円。円相場は1ドル103円80銭台と円高に振れて推移している。

 シカゴ先物にサヤ寄せする格好から売り先行の展開になりそうだ。米国では公立学校の再閉鎖が嫌気されワクチン期待による上昇を相殺する格好となっている。ただし、NYダウは足元で3万ドルに接近していることもあり、利益確定の売りも出やすいところであろう。昨日の日経平均は東京都の新規感染者数の増加や警戒レベルの引き上げが嫌気されたが、日銀のETF買い入れに伴う需給面での下支えもあり、引けにかけては下げ幅を縮めていた。また、警戒レベル引き上げのヘッドラインを受けて下げ幅を広げていたが、それほど売りが追随する流れでもなく、アルゴ発動も小規模のようである。短期的な過熱感が警戒されていることもあり、ある程度の調整は想定線といったとこる。

 売り一巡後は押し目狙いのスタンスに向かいやすいだろ。これまでの上昇に対する利益確定の売りは出やすいだろうが、一方でショートに傾いている海外勢においては調整場面ではショートカバーのタイミングにもなりやすいだろう。反応は限られたものの、ファイザーが開発中の新型コロナウイルスのワクチン候補については週内にも米食品医薬品局(FDA)への申請を計画していると伝わっている。承認されるようであれば来年以降の経済回復への期待感が再燃する可能性があるため押し目待ちの買い意欲は強そうである。

 なお、NTTドコモ<9437>のTOB成立により指数構成銘柄から除外となり、シャープ<6753>が新たに構成銘柄に組み入れられることになった。シャープへはパッシブファンドによる買いが意識されやすく、先回り的な動きが出やすいだろう。また、TOPIX先物へは調整買いの需給が意識されやすいため、相場全体の下支えになりそうである。候補期待から上昇していた村田製<6981>へは換金売りが出やすいだろうが、年初来高値圏に位置しており需給状況も良好なため、調整場面においては買い戻しニーズが高そうだ。

 その他、昨日はマザーズが相対的に底堅い値動きをみせていた。警戒レベル引き上げによって再びテレワーク関連への物色が強まるなど、個人主体による物色意欲は引き続き旺盛のようである。マザーズ指数は当面、25日線レベルが上値抵抗として意識されそうだが、循環的な物色は続きそうである。


<AK>

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