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ワクチン接種進展による経済活動正常化への期待が下支え

オープニングコメント
 24日の日本株市場は、こう着感の強い相場展開が続きそうである。21日の米国市場はNYダウが123ドル高だった。5月製造業・サービス業PMI速報値が過去最高に達したことが材料視された。その後、中国政府が採掘取締りをあらためて表明したことを背景に、暗号通貨相場が再び急反落すると警戒感から一時上げ幅を縮めた。しかし、インフラ計画を巡りバイデン政権が引き続き共和党との超党派での合意求め妥協案を提示すると回復期待感からダウは終日堅調推移となった。一方、住宅価格の上昇を受けてインフレ懸念が再燃し、ハイテク株は下落に転じた。シカゴ日経225先物清算値は大阪比30円高の28380円。円相場は1ドル108円90銭台で推移している。

 シカゴ先物にサヤ寄せする形から小動きで始まることになりそうだ。米国では景気敏感株への物色の流れから先週半ば以降に見直しの動きを見せていたハイテク株には利益確定の動きが先行しそうである。ただし、長期金利は落ち着いた動きを見せていることもあり、インフレ圧力に対する警戒感はそれ程高まっていないだろう。BofAによる5月のファンドマネジャー調査では、インフレ懸念が高まるなかハイテク株の比率を引き下げたようである。ハイテク株に対するオーバーウエートポジションを3年ぶりの低水準まで引き下げたと伝わっている。先週あたりの動きを見ると、ポジション引き下げも一巡してきたとも考えられるため、ハイテク見直しの動きが継続するかを見極めたいところであろう。

 国内においては24日から東京と大阪で新型コロナウイルスワクチンの大規模接種が始まるほか、宮城県や群馬県、愛知県でも始まる予定と伝わっており、今後ワクチン接種が大きく加速する見通しであることから、海外勢による日本株への見直し余地は大きいと考えられる。5月第2週の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算で2週ぶりに売り越し、売越額は1兆1128億円だった。前週の買い越し額を大幅に上回る売り越しだったことから、修正余地はあると見ておきたい。

 また、日経平均は5月13日安値をボトムに下値切り上げのトレンドを形成する一方で、上値は28500円辺りが抵抗線として意識されている。チャート形状としては三角もち合いを形成していることもあり、もち合い下放れよりは、上放れを意識したトレンド形成が期待されやすいだろう。米国市場の動きからマザーズ指数は弱含む可能性が高そうだが、上値抵抗の25日線に接近していることからいったんは強弱感が対立しやすい水準であり、押し目拾いのスタンスになりそうだ。


<AK>

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