株式の配当や売却益への課税強化は愚行の極み
[14/03/17]
提供元:株式会社フィスコ
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Miniトピック
政府の税制調査会は法人実効税率引き下げの代替財源の候補として、株式の配当や売却にかかる税率の引き上げを検討し始めたらしい。しかし、これは安倍政権が目指しているはずの金融・投資立国のビジョンに完全に逆行している。「貯蓄から投資へ」という掛け声は何だったのだろうか。去年も証券優遇税制が廃止されて課税が10%→20%へと倍増するのを受けて、アベノミクス相場の掛け声も虚しく個人は株を大幅に売り越した(買い越しているのは外国人のみ)。申し訳程度にNISAが導入されたが、元本100万円限定かつ使い勝手の悪い制度では効果は限定的だ。 このうえさらに課税が強化されるのであれば、個人はますます株式への投資から離れて行く。こういう目先の帳尻を合わせに終始しているようでは、大きなビジョンに従った国家戦略の実行・成功は遠い。 個人投資家離れが起こり、外国人も改革が実行されないとして日本市場から離れて行けば、東アジアの金融セクターの中心はシンガポールや香港あるいは上海に移り、日本市場の地位はさらに低下するだろう。課税強化で結局税収も落ちるという、一体何をしているのか分からないような悪循環に陥る可能性大だ。
眠っている個人の金融資産を動かし、また海外から資金を呼びこむためには大胆な規制緩和や課税軽減こそが必要で、それにより経済を活性化し全体の税収を上げる、という構想を実行するのがアベノミクスではなかったのか。
<YU>
眠っている個人の金融資産を動かし、また海外から資金を呼びこむためには大胆な規制緩和や課税軽減こそが必要で、それにより経済を活性化し全体の税収を上げる、という構想を実行するのがアベノミクスではなかったのか。
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