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日銀の金融緩和の補完措置導入に市場は右往左往

Miniトピック
日銀は先週末の金融政策決定会合で、現在の金融緩和を「補完するための措置」を導入することを決めた。
 今回の金融政策決定会合は現状維持予想がほぼ100%で、日銀は何もしないと見られていたため、発表後に株式市場は過激に反応した。発表直後は現状維持ではなく追加緩和とみたサプライズの反応で日経平均株価は約500円も上昇し、その後追加緩和ではないという解釈が広がるとともに失望が出た模様で、高値から約1000円も下落した。
 しかし、追加の金融緩和として反応したのも、大きく下落したのもどちらも過剰反応だろう。追加緩和として早合点してたのは言うまでもないが、現状維持予想に対して補完措置が取られたことに対してこれほど大きく失望するのも解せない。今回の措置は、日銀が進める異次元の金融緩和を特に後退させるものではない。
 内容的にも、1.株価指数連動型上場投資信託(ETF)につき年間3兆円の買い入れに加え、新たに3000億円の買い入れ枠の新設、2.買い入れる長期国債の平均残存期間を7〜10年程度から7〜12年程度に長期化、3.不動産投資信託(REIT)の銘柄ごとの買い入れ限度額も発行残高の10%に引き上げ、4.成長基盤強化支援資金供給の拡充と、悪くない措置だ。2.は米国QE2の次の手段として行われたツイストオペ類似の措置といえよう。
 むしろ追加緩和カードを温存しつつ、緩和を強化する姿勢を見せた点で、現時点では妥当な措置だったと評価できる。中国の減速リスクや原油価格の下落等がどこまで行くか不透明ななか、真の切り札を全部切るのは時期尚早との判断は、日銀として現時点では最善の判断ではないだろうか。

<YU>

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