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イタリアの政治不安と債務問題

Miniトピック
 イタリアにおける政治不安などを嫌ってユーロは29日の欧州市場で昨年7月20日以来となる1.1510ドルまで下落しました。報道によると、イタリアの政党「同盟」のサルビーニ書記長は30日、できる限り早く再選挙を実施すべきとの見方を示したそうです。サルビーニ書記長は記者団に対し「投票は早ければ早いほど良い。なぜならこの窮地や混乱を抜け出す最良の方法だからだ」と指摘してしましたが、「7月末の再選挙はイタリア国民に悪影響を及ぼすものになるだろう」との見方を示しています。

 市場関係者の間では「再選挙を行っても状況が改善される保証はない」との見方が広がっています。再選挙の結果、「五つ星運動」と「同盟」が連立を組む可能性は残されており、投資家の多くはこの展開を嫌っています。両党は減税や福祉の強化に向けた財政出動を表明していますが、政策には年金改革の廃止も盛り込まれるようです。

 イタリアのマッタレッラ大統領は27日、両党が推したユーロ懐疑派の経済相候補の起用を拒否したことで両党は連立を断念しましたが、両党は結束を強化して再選挙に臨む姿勢を示しています。最終的にはイタリア国民の判断次第になるものの、両党が協調することで過半数議席を確保する可能性は高いとの世論調査の結果が出ています。

 5月31日からカナダで開かれるG7財務相会合ではグローバルリスクの中でイタリア情勢が議論される見通しです。現時点でイタリアの政治不安は世界の金融システムを脅かすような存在ではないとみられていますが、一部の市場関係者は現在よりも状況が一段と悪化することを想定しているようです。

 ある識者は「ユーロ存続を前提にしてイタリアの債務問題を抜本的に解決することは極めて困難であり、具体的かつ有意義な策を見出すことはできない」と指摘しています。再選挙後におけるいくつかのシナリオを巡って市場の懸念がより高まることは避けられないかもしれません。


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