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【中国の視点】行き過ぎた人民元安誘導が逆効果の可能性、長期的な元高観測は優勢

注目トピックス 経済総合
旧正月明けから3月初めまでに人民元の対米ドル為替レートは急落。人民元のオフショア市場では、1米ドル=6.0258元(2月6日終値)から1米ドル=6.1306元(3月4日終値)まで元安が進行した。今回の急激な元安について、中国へのホットマネーの流入増加を抑制するため、中国人民銀行(中央銀行)による元売り・米ドル買い介入が主因だとみられている。

一方、政府系シンクタンクである社会科学院の余永定委員はこのほど、人民銀による過剰な干渉が逆効果になる可能性があると指摘した。元安誘導が中国へのリスク資金の流入を抑制し、影の銀行(シャドーバンキング)の規模拡大に伴う不動産価格の急騰を防ぐなどの利点があると評価。ただ、元売り介入が同時に人民元の過剰流動性につながるため、再び資産バブルを引き起こす危険性があると警告した。さらに、元安の進行が国内から大量の資金流出につながる恐れもあるとの見方を示した。

余委員は、中国当局が人民元相場の双方向変動を常態化させる狙いがあると指摘。ただ、これを実現するには元の対米ドル為替レートが合理的な水準まで上昇したという大前提が必要だと強調した。中国の外貨準備高や貿易収支などを総合的に分析すると、長期的には元の上昇余地は残されているため、市場原理だけでは元の双方向変動が困難だとの見方を示した。

なお、ゴールドマン・サックス証券や野村インターナショナルなどの海外機関投資家は、長期的なスパンでは元高になると予測している。




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