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スペインが欧州にガス供給も、ロシア依存からの脱却に光明か

注目トピックス 経済総合
ロシアからのエネルギー輸入に過度に依存するユーロ圏で、スペインから代替燃料を獲得しようとする機運が高まっています。

スペイン政府によると、同国がロシアから輸入しているガスの割合はゼロ。また、ここ数年は積極的に液化天然ガスの輸入能力を高めており、他の欧州諸国にガスを提供する余力も十分にあるようです。

スペインのガス業界団体の推計では、ロシアが現在ユーロ圏に提供する輸出量の約10%を、スペインが負担することができるとか。

ウクライナ情勢を巡っては、米欧とロシアが角を突き合わせる状況が続いています。これが金融市場の不安心理を誘い、株式などリスク資産を回避する地合いが強まっています。

米欧はロシアに決定的なダメージを与えるため、エネルギー産業に対する制裁を打ち出したいところ。ただ、欧州はエネルギー需要の約3割をロシアに依存しており、エネルギー産業への制裁は欧州が自分で自分の首を絞めることにもつながります。

米国ではシェール革命を背景に欧州へのガス輸出を増大させるべきだとの主張が台頭。ただ、米国内での規制ハードルやガス受け入れ基地の建設など、もろもろの準備が必要で実現には数年かかるとされています。

一方、スペインは欧州の一部で地理的な利点があり、米国よりもガスの代替供給元として機能する可能性は高いでしょう。

ただ、そうすることでロシアがクリミア併合をあきらめ、ウクライナの緊張が解けるかといえば、それも現実的ではありません。ロシアは欧州からアジアに燃料の供給先を移す公算が大きく、エネルギーの流れが世界的に変化するシナリオも考えられます。

こうした中、カギを握るのが資源消費大国の中国。現在はウクライナ問題で中立を保っていますが、日本や米国などアジアでの囲い込みをかわすためにもロシアに接近する可能性はゼロではありません。

(フィスコ・リサーチ・レポーター)




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