週刊ダイヤモンド今週号より〜バランス人事崩壊に透ける、みずほ・佐藤社長の深謀遠慮
[14/03/31]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 経済総合
みずほフィナンシャルグループと傘下銀行が、長きにわたり続けてきた「バランス人事」が、いよいよ崩れ始めました。「32・27・26」、この数字はそれぞれ、旧富士、旧第一勧業、旧日本興業の出身者の、4月1日以降の役員数です。役員数の配分で1人の誤差も許さなかった時期さえある中で、一気に6人までその差を広げて見せています。
佐藤康弘・FG社長を中心に練り上げた人事は、一見すると数で最多となり、次期頭取ポストも手中に収めている旧富士勢が大躍進したようにも思えます。一方で、役員人事を細かく分解してみると、実は佐藤氏の影響力が残る部分が随所にみられ、銀行経営を林次期頭取に「禅譲」したとは言い切れない状況が浮かび上がってきます。
これまで林氏が統括してきた国際部門、新たに代表権を持つ銀行副頭取、委員会設置会社への移行後に委員会となるFG取締役、委員会運営の要となる取締役会室長、組織の中枢となる人事を統括するグループ長などは、4月威光、旧日本興業出身者が占めることになります。また、佐藤氏自身も銀行の非常勤取締役として、引き続き機関決定の場には必ず参加します。新体制下でも、佐藤氏のグリップ力はこれまでと大きく変わらないことになります。
引き続き、佐藤氏が実験を握る経営体制の中で、今回の人事の一番の焦点は、国内営業の強化に向けた体制作りです。他のメガバンクに比べて、国内の収益力も見劣りして、ただでさえ強化に向けた取り組みが急務となっているにもかかわらず、佐藤氏は個人や中堅・中小企業の基盤が弱く、林氏も国内での営業基盤が浅い状況にあります。
その弱点を補う指名を与えられたのが、岡部FG副社長であり、飯盛銀行常務です。林氏も含めた3名ともに旧富士出身者であることは決して偶然ではありません。この3人が密に連携して、どれだけ国内強化の道筋をつけられるかで、数では最多となった旧富士勢に対する本当の評価と、みずほの再生の加速度が決まってくると、ダイヤモンド誌では指摘しています。
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佐藤康弘・FG社長を中心に練り上げた人事は、一見すると数で最多となり、次期頭取ポストも手中に収めている旧富士勢が大躍進したようにも思えます。一方で、役員人事を細かく分解してみると、実は佐藤氏の影響力が残る部分が随所にみられ、銀行経営を林次期頭取に「禅譲」したとは言い切れない状況が浮かび上がってきます。
これまで林氏が統括してきた国際部門、新たに代表権を持つ銀行副頭取、委員会設置会社への移行後に委員会となるFG取締役、委員会運営の要となる取締役会室長、組織の中枢となる人事を統括するグループ長などは、4月威光、旧日本興業出身者が占めることになります。また、佐藤氏自身も銀行の非常勤取締役として、引き続き機関決定の場には必ず参加します。新体制下でも、佐藤氏のグリップ力はこれまでと大きく変わらないことになります。
引き続き、佐藤氏が実験を握る経営体制の中で、今回の人事の一番の焦点は、国内営業の強化に向けた体制作りです。他のメガバンクに比べて、国内の収益力も見劣りして、ただでさえ強化に向けた取り組みが急務となっているにもかかわらず、佐藤氏は個人や中堅・中小企業の基盤が弱く、林氏も国内での営業基盤が浅い状況にあります。
その弱点を補う指名を与えられたのが、岡部FG副社長であり、飯盛銀行常務です。林氏も含めた3名ともに旧富士出身者であることは決して偶然ではありません。この3人が密に連携して、どれだけ国内強化の道筋をつけられるかで、数では最多となった旧富士勢に対する本当の評価と、みずほの再生の加速度が決まってくると、ダイヤモンド誌では指摘しています。
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