NYの視点:米3月雇用統計は「成長見通しを押し上げる」との見方
[14/04/08]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 経済総合
米労働省が発表した3月の雇用統計で非農業部門雇用者数は予想を小幅下振れたものの20万人近くの雇用となったほか、1、2月の雇用が上方修正された。また、労働参加率や週平均労働時間も改善。しかし、イエレンFRB議長が労働市場を見極める上で注視しているという不完全雇用率が下げ渋っていること、平均時給の上昇が低迷していること、長期失業者が依然、高水準であること、雇用の増加のほとんどがパートタイムの職であることなどは労働市場が依然停滞している証拠となるため、悲観的な要因も存続する。
ただ、大半のエコノミストは、3月の雇用統計が厳冬の混乱から脱して落ち着きを取り戻しており、「経済の成長見通しを押し上げる」と楽観的な見方を示している。少なくともマイナス材料とはとらえていない。2014年度の連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーではないがブラード・セントルイス連銀総裁も「3月雇用統計がQE縮小ペースの見解を変えることはない」とし、14年の国内総生産(GDP)で3%成長を予想していることを明らかにした。
米国の経済専門局であるCNBCが9人の主要金融機関のエコノミストを対象に実施した調査によると、雇用統計の発表前とあとで米国経済の成長見通しはほぼ変らなかった。1-3月期国内総生産(GDP)見通しは悪天候が依然影響し1.74%成長。レンジは1.2%から2.5%。4-6月期も天候の回復に伴い伸びが拡大し3.36%成長で変わりなし。レンジは2.5%から4.2%となっている。米国の成長見通しに楽観的な見方がドルを引き続き支えると考えられる。
■エコノミスト見通し
*1-3月期国内総生産(GDP)
1.74%(変わりなし)
レンジ:1.2%(モルガンスタンレー)-2.5%(バークレイズ)
*4-6月期GDP
3.36%(変わりなし)
レンジ:2.5%(バークレイズ)-4.2%(ドイツ銀)
ゴールドマンサックス:3%
ムーディーズアナリティックス:3.9%
HFE:3.5%
モルガンスタンレー:3.6%
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