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週刊ダイヤモンド今週号より〜地銀の瀬戸際、メガバンクの憂鬱 絶好調決算の裏側

注目トピックス 経済総合
銀行業界では今月、3メガバンクがいずれも過去最高益を更新し、地方銀行も最高益が続出しました。まさに“わが世の春”を謳歌しているかと思いきや、当の本人たちはあまり喜んでいないようです。表向きは絶好調の銀行業界で今、何が起こっているのか??今週号の特集では、瀬戸際の地銀と、憂鬱なメガバンクの内幕を徹底取材しています。

そもそも、今回の好決算は株高と融資先の業績回復によってかさ上げされたにすぎません。それどころか、これから全国各地で人口が急減します。2040年には半数の自治体が消滅の危機に瀕するとの試算も飛び出す中、かねて「オーバーバンク(銀行過剰)」が問題視されてきた地銀界がさらなる過当競争に突入するのは間違いありません。今後、数年間で経営に行き詰まる地銀が出てくるのは必至です。

そうはさせまいと、しびれを切らした金融庁が今まさに、あの手この手で地銀に再編を迫っています。また、上場を検討しているゆうちょ銀行という金融界の巨人も、地銀にとっては厄介な存在。金融庁関係者の間では「ゆうちょ銀が上場すれば、融資などへの参入は避けられず、地銀は単独では歯が立たなくなる」との声も聞かれます。好決算ながら、実は瀬戸際に追い詰められているのが、地銀の本当の姿なのです。

一方のメガバンクは三菱UFJ<8306>、三井住友<8316>、みずほ<8411>の3行全てが過去最高益でしたが、こちらも慎重姿勢を崩していません。預金を集めて融資に回すという銀行の本業の根幹が揺らいでいるのです。最大手の三菱東京UFJ銀行は、持ち株会社の三菱UFJフィナンシャル・グループが1兆円近い最終利益をたたき出しながら、実は国内において、本業である融資や国債運用の利回りを経費が上回る「逆ざや」に初めて転落してしまったのです。

さらに、頭打ちの国内事業を補完する格好で、海外ビジネスが急拡大していますが、ここでも人材不足という想定外の足かせが。リーマンショックで深い傷を負わなかった3メガバンクの優位性が失われつつある中、好業績に浮かれずに海外ビジネスの基盤固めを急がなければ、急拡大後に手痛い傷を負ったバブル期の二の舞になりかねないと、ダイヤモンド誌では指摘しています。



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