NYの視点:米経済がテクニカル的リセッションに陥る可能性
[14/05/30]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 経済総合
米国商務省が発表した1-3月期国内総生産(GDP)の改定値は前期比年率-1.0%と、市場予想の-0.5%をさらに下回り速報値の+0.1%から3年ぶりのマイナス成長に下方修正された。ラッカー米リッチモンド地区連銀総裁はこの結果を「予想の範囲で懸念していない」と表明したが、連邦公開市場委員会(FOMC)のメンバーを始め大半のエコノミストは異例な厳冬が主要因と見ており4-6月期には回復に転じると楽観的見方を維持している。
1-3月期の経済は厳冬という悪影響を受け400億ドル規模縮小した一方で、米国経済への人工的な刺激策であるオバマケア(オバマ政権が推進する医療保険制度改革)の本格的な始動によりヘルスケアコストが過去最高のペースで膨れ上がった。これにより400億ドルが水増しされた。もし、オバマケアによる出費がなかったとすれば2.0%のマイナス成長に陥っていた可能性が指摘されている。
4-6月期には1-3月期に見られた厳冬による悪影響がなくなる分、オバマケアによる出費による押し上げもなくなるためマイナス成長から脱出できない可能性も除外できない。2四半期連続のマイナス成長となると、テクニカル的なリセッション(景気後退)に陥ることになる。最近の米国債の上昇はこういった可能性を警戒していると思われる。
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