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週刊ダイヤモンド今週号より〜佐川男子、クロネコ男子が悲鳴! 物流ビジネス大異変

注目トピックス 経済総合
物流の世界に大異変が起こっています。運送会社は「運べない」「運ばない」の大合唱をし、物流費アップを避けたい荷主である企業は大改革へとかじを切り始めました。一方で、異業種のコンビニエンスストアなどが、新たなモデルを引っ提げ、物流業界に参入しようとしています。今週号の特集では、動乱の物流業界に迫ります。

宅配便が届かない??3月末の消費増税に伴う大混乱。多くの業界関係者がその導火線になったと口を揃えるのが、5年も前に佐川急便が行った下請けへの値下げ要求です。その後、需給がタイトになって佐川が車両の追加を要請すると、マグマのようにたまっていた下請けの不満が爆発、要請に応じないという強硬策に出ました。これによって佐川の運送能力が大幅に低下、玉突きで業界全体として需給が逼迫することになったのです。

さらに佐川は、下請けに値下げを要求する傍らで荷主には値上げ要請を開始。受けないところは切る“禁じ手”に出ました。大騒ぎとなった大荷主アマゾンとの決別はその一環。アマゾンの大量の荷物は、一気に業界トップのヤマト運輸(ヤマトホールディングス<9064>傘下)に流れ込みました。

そのヤマトも下請けたたきこそしていませんが、今年、実質値上げに踏み切っており、多くの荷主が悲鳴を上げています。大手2社の宅配便シェアは、ヤマトが43%に対し、佐川が39%と圧倒的な寡占状態。そんな2社がダンピング合戦をやめて値上げに走れば、日本の物流はどうなるか、目に見えています。

一方、かつて佐川の首脳に「寝た子を起こすな」と言わしめた、業界第3位の日本郵便はどう動いているのでしょうか。これまでは「政治」に潜在能力を抑えられていましたが、第2次安倍政権の発足で民営化の軸が定まりました。持ち株会社の日本郵政は15年の株式上場を目指し、同時にこれまで滞っていた設備投資も再開される見通しです。

さらには、物流業界の足元の混乱に乗じて、下克上をうかがう中小事業者も出てきました。西濃運輸などの中堅に加えて、ダイエー<8263>物流子会社のロジワンやプラスグループのプラスカーゴサービスなどが、佐川が取り扱いをやめた家具などの大型荷物を狙っています。また、宅配業者以上の拠点数を誇るコンビニエンスストアも物流網を整えつつあります。

宅配便市場は、二強時代からヤマト一強時代を経て、第三極が胎動を始めています。“三国志”の終わりは、実は“戦国時代”の幕開けなのかもしれません。



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