NYの視点:米住宅市場回復もペースは期待以下
[14/07/23]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 経済総合
全米不動産業者協会(NAR)が発表した6月の中古住宅販売件数は前月比2.6%増の504万戸と、市場予想の499万戸を上回り8か月ぶりの高水準となった。3か月連続の増加。イエレン連邦準備制度理事会(FRB)議長が懸念していた住宅市場がようやく回復している兆候が見られた。
2013年度下半期の米国住宅市場の回復は低迷した。景気の回復に伴い、米連邦公開市場委員会(FOMC)が異例な緩和策の解除を開始するとの見通しに伴い米国の金利が上昇した。また、供給不足や物件価格の急激な上昇が影響した。しかし、2014年に入り住宅ローン金利は再び低下傾向にある。また、雇用市場の改善が住宅の回復につながった。6月の売り出し物件総数は230万戸に達し、2012年8月以来で最高。前年比では6.5%増となった。
ただ、回復ペースは依然、FRBが期待していたほど強くない。販売件数は前年比では2.3%減少した。中間価格は223,300ドル。上昇率は前年比で4.3%増と2012年3月以来で最低の伸びにとどまった。また、現金での購入は全体の3分の1を占め依然、異例に高い水準にある。米国の住宅市場は正常化まで程遠い。
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