NYの視点:フィッシャー米FRB副議長はイエレン議長の戦略を支持
[14/08/12]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 経済総合
フィッシャー米連邦準備制度理事会(FRB)副議長は講演で、イエレンFRB議長と同様に低い労働参加率や弱い住宅市場に焦点をあてた。前イスラエル中央銀行の総裁で米連邦準備制度理事会(FRB)副議長に就任して以降初めてとなるフィッシャー副議長の講演に注目が集まっていた。イスラエル中央銀行総裁在任中は、量的緩和やフォワードガイダンスに懐疑的見方を示していたため、タカ派寄りになるとの思惑もあった。しかし、量的緩和に関して、フィッシャー副議長はおおむね「成功」との見解。ただ、短期金利の管理を複雑化させる可能性を指摘。さらに、米国や世界の潜在的成長率は長期的なダメージに見舞われる可能性があると警告するなど慎重なものになった。
フィッシャー副議長はまた、成長ペースの鈍化が構造転換を示唆している可能性があると指摘。労働参加率の低下は、高齢化が主な要因との見解を示した。ただ、経済が強まれば、職探しを諦めた労働者が労働市場に戻る可能性があると加えた。初めての講演で、フィッシャー米FRB副議長は大胆な明言を避けたと思われる。FRBは経済における金融リスクを最小限にするためには利上げが必要だが、他の手段も持ち合わせていると自信を表明。利上げに関しては、急がずイエレンFRB議長の慎重な方針を支持する姿勢を表明した。フィッシャー米FRB副議長のハト派姿勢は金融資産市場の支援材料となった。
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