(中国)銀行の成長ピッチ鈍化、不良債権が足かせに
[14/09/04]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 経済総合
中国大手銀行の間で、業績成長ピッチの鈍化が目立ってきた。利益の伸びが低下する一方で、不良債権は積み上がりつつある。ここまま不良債権が増え続ければ、貸し渋り、貸し剥がしにもつながりかねないだけに、今後の動向を注意深く見守る必要がありそうだ。
最大手の中国工商銀行(01398/HK)は、今年上半期の純利益が前年同期比7.2%増の1484億人民元(約2兆5328億円)に膨らんだ。ただ、増益率は前年同期との比較で5.2ポイントも低下している。他の5大商業銀行の増益率に関しても、中国農業銀行(01288/HK)で2.7ポイント、中国銀行(03988/HK)で11.0ポイント、中国建設銀行(939/HK)で9.2ポイントずつ鈍化した。交通銀行(03328/HK)の増益率は5.4%と、前年同期と同様にわずか2ケタ成長にとどまっている。
一方、不良債権の増勢は止まらない状況だ。不良債権比率も上昇し、6月末時点で農業銀行は上場16銀行中で最悪の1.24%に達した。中信銀行(00998/HK)、交通銀行、中国光大銀行(06818/HK)についても、それぞれ1.19%、1.13%、1.11%にまで悪化している。
鉄鋼貿易商社、中小・零細向けの融資で焦げ付きが多発。エリア別では、江蘇省、浙江省の債権不良化が際立っている。農業銀行を例にとると、1〜6月の6カ月にかけて長江デルタで45億3100万人民元、珠江デルタで34億100万人民元ずつ不良債権が増大した。業種別では、製造業で60億3400万人民元、卸売・小売で53億6600万人民元ずつ増えている。
銀行業監督管理委員会の報告によると、不良債権の総額は今年6月末の時点で6944億人民元(約11兆7200億円)。前四半期比で483億人民元(約8200億円)、年初来で1024億人民元(約1兆7300億円)ずつ積み上がった。不良債権比率は1.08%。前半期比で0.04ポイント、年初との比較で0.08ポイントずつ上昇した。
不良債権の総額は、12四半期連続で増えている。商業銀行全体の債務者区分では、正常先が62兆800億人民元(全体の96.38%)、要注意先が1兆6400億人民元などとなった。3月末との比較で、要注意先は845億人民元(0.05%)増加している。
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最大手の中国工商銀行(01398/HK)は、今年上半期の純利益が前年同期比7.2%増の1484億人民元(約2兆5328億円)に膨らんだ。ただ、増益率は前年同期との比較で5.2ポイントも低下している。他の5大商業銀行の増益率に関しても、中国農業銀行(01288/HK)で2.7ポイント、中国銀行(03988/HK)で11.0ポイント、中国建設銀行(939/HK)で9.2ポイントずつ鈍化した。交通銀行(03328/HK)の増益率は5.4%と、前年同期と同様にわずか2ケタ成長にとどまっている。
一方、不良債権の増勢は止まらない状況だ。不良債権比率も上昇し、6月末時点で農業銀行は上場16銀行中で最悪の1.24%に達した。中信銀行(00998/HK)、交通銀行、中国光大銀行(06818/HK)についても、それぞれ1.19%、1.13%、1.11%にまで悪化している。
鉄鋼貿易商社、中小・零細向けの融資で焦げ付きが多発。エリア別では、江蘇省、浙江省の債権不良化が際立っている。農業銀行を例にとると、1〜6月の6カ月にかけて長江デルタで45億3100万人民元、珠江デルタで34億100万人民元ずつ不良債権が増大した。業種別では、製造業で60億3400万人民元、卸売・小売で53億6600万人民元ずつ増えている。
銀行業監督管理委員会の報告によると、不良債権の総額は今年6月末の時点で6944億人民元(約11兆7200億円)。前四半期比で483億人民元(約8200億円)、年初来で1024億人民元(約1兆7300億円)ずつ積み上がった。不良債権比率は1.08%。前半期比で0.04ポイント、年初との比較で0.08ポイントずつ上昇した。
不良債権の総額は、12四半期連続で増えている。商業銀行全体の債務者区分では、正常先が62兆800億人民元(全体の96.38%)、要注意先が1兆6400億人民元などとなった。3月末との比較で、要注意先は845億人民元(0.05%)増加している。
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