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中国:大都市をむしばむ「都市病」、自動車保有台数は将来4億台も

注目トピックス 経済総合
国務院(内閣)直属シンクタンクの中国社会科学院は17日に発表した「都市白書:中国都市発展報告No.7」の中で、中国の大都市が足元で直面している「都市病」について、二極化構造の激化、大気汚染や交通渋滞の深刻化、不動産価格の高騰、都市の脆弱性??といった問題が突出している??と報告した。

うち交通渋滞問題については、国内の自動車保有台数が将来的に4億台に到達する可能性を指摘。「大都市の渋滞問題は今後、一段と深刻さを増す」との見方を示し、公共交通インフラの整備を着実に進める必要性を強調した。

中国の自動車保有台数は足元で合計1億3000万台。10人当たりで1台の自動車を保有している計算だ。これを1世帯当たり1台を保有していることが理想とされる「小康生活(ややゆとりのある生活)」のレベルに到達させるには、少なくも保有台数を現在の約3倍の4億台に引き上げる必要があるという。こうした中で、公共交通機関を主体とした交通インフラを整え、マイカー使用を抑える都市づくりを進めるべきだと提言した。

大気汚染の問題にも言及。世界保健機関(WHO)が2011年に発表した91カ国・地域の1099都市を対象としたPM10(微小粒子状物質)調査報告を引用し、中国の特大都市(主に直轄市や省都)の平均PM10濃度が97マイクログラム/立方メートルに達し、世界でワースト上位に位置している現状を指摘した。PM2.5に関しても、中国が13年に測定した国内74都の平均濃度について、WHOが報告した38カ国・地域の576都市の平均濃度を大きく上回っていたことを明らかにしている。

その上で、石油化学、建材、家具、セメントなど汚染型企業を移転せるなど産業構造の調整を推進するよう提起。大気汚染の排出量を根本から大きく削減させる取り組みを急ぐべきだと強調した。



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