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(中国)ウイグル族学者の2審は非公開で開廷へ、代表弁護士が弁護権のはく奪と抗議

注目トピックス 経済総合
「国家分裂罪」が適用され無期懲役の一審判決を受けた中国・中央民族大学(北京)のウイグル族学者、イリハム・トフティ氏(44歳)の代表弁護士がイリハム氏の弁護権を当局からはく奪されたことが分かった。複数の香港メディアが12日、劉暁原・代表弁護士の話として伝えた。劉氏によれば、11日の晩に新疆ウイグル自治区高級法院(裁判所)から電話が入り、「イリハム氏の二審は秘密(非公開)裏に審理する」との通達を一方的に受けたという。劉氏はこれは事実上の弁護権を奪うもので、イリハム氏は上告の機会を失ったとの見方を示した。またイリハム氏の支援者のひとり、胡佳氏は今回の措置について、「中国共産党が同裁判をブラックボックス化し、国際社会の注目を躱した上で、イリハム氏の無期懲役刑を結審する意図がある」と批判している。

9月23日の一審判決ではイリハム氏に対し、無期懲役のほか、政治的権利の永久剥奪、全個人財産の没収も科した。イリハム氏はこれを不服とし、弁護士を通じて控訴する意向を表明していた。イリハム氏は拘束期間中に100ページを超える自己弁護書を執筆したという。

イリハム氏は一貫して漢民族とウイグル族の相互理解、少数民族の権利向上を訴えてきた人物として知られる。「国家分裂活動」に関与した容疑で、今年1月15日に自宅で身柄拘束され、取り調べを経て2月末に逮捕、7月末に起訴されている。13年10月末に発生した天安門突入炎上事件に関し、「ウイグル族によるテロと断定すべきではない」と習近平指導部に呼びかけると同時に、日本をはじめとする海外メディアの取材にも積極的に応じていた。

逮捕直後にウルムチ市公安局はオフィシャルミニブログに、「イリハム准教授(当時)が海外の東トルキスタン独立派勢力と結託している証拠をつかんだ」と情報を開示。06年に同氏が創設した「維吾爾在線(ウイグル・オンライン)」を通じてデマ、事実歪曲による反政府思想を拡散し、民族対立を助長するとともに新疆独立を扇動、分裂活動を行った??などと断定していた。

ウイグル族のイリハム氏は1969年10月25日生まれの44歳。新疆ウイグル自治区クズルス・キルギス自治州アルトゥシュ市出身。東北師範大学を経て、中央民族大学の大学院を卒業した。09年ウイグル騒乱の際に政府を批判し、一時身柄を拘束された過去がある。逮捕前は民族大学で副教授を務めていた。長女のジェハルト・イリハムさんは現在、アメリカのインディアナ大学に留学し、父親の釈放運動を展開する一方、米国政府に支援を要請している。



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