NYの視点:ギリシャのD-Day
[15/02/04]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 経済総合
投資家はギリシャ債務問題の進展に期待を高めた。英フィナンシャルズタイムズ紙が「ギリシャはユーロ圏諸国への債務減免の要請を撤回し代わりに既存の債務を同国の成長に連動する新発債と交換する提案を行う」と報じ、ギリシャが融和的アプローチに転じたとの安心感につながった。ギリシャのファロファキス財務相は4日にドラギECB総裁、5日にショイブレ独財務相と会談を控えている。ただ、状況の改善を期待してユーロの売り持ちを手仕舞うのは時期尚早となる可能性がある。
マーケットニュースインターナショナルによると、欧州連合(EU)委員会はギリシャとお互いに譲歩できるとの自信を表明したものの現在のところECの経済通貨同盟国のほとんどのメンバーがギリシャの提案に反対していると報じている。欧州中央銀行(ECB)もギリシャ政府の新たな救済策で、提案の鍵となる政治的な合意や債券の交換を容認せず、保証の必要性や債務の全額返済を求めており反対姿勢を示した。これにより月末に救済策が満期となった場合にギリシャが外部から資金を調達するソースがなくなることになる。ドイツもギリシャの提案が「不十分」と一蹴した。
ギリシャ財務相は100億ユーロの短期証券を発行し資金を調達、この「つなぎ融資」で3か月しのぎその間に新規救済策で合意するという計画を欧州高官に対して提示した。一方、欧州中央銀行(ECB)は救済策が満期となる2月28日までに合意されるべきであるとの方針を明確に表明しており、つなぎ融資を承認するとは思われない。
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