NYの視点:ギリシャ債務協議、今後のスケジュール
[15/02/12]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 経済総合
ギリシャのファロファキス財務相はユーロ圏臨時財務相会合で、同国の新たな改革案と修正救済策を他のユーロ圏財務相に提示する。同時に新たな救済策で合意するまでの資金不足を埋めるために「つなぎ融資」を要請すると見られている。臨時総会ではユーロ圏はギリシャ側の正式な提案を聞き16日に予定されている正式な財務相会合での合意に向けて努力していく。16日に合意できれば、議会での承認に十分な時間が残る。
ツィプラス・ギリシャ新首相は議会に向けて「小さなギリシャが欧州で大きな役割を担っている」と自信を表明した一方、ショイブレ独財務相はトルコ、イスタンブールで開催された主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で「合意した条件を満たさなければギリシャは終わり」と強硬な姿勢を示した。格付け会社フィッチや米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)はすでに交渉が「challenge困難」と流動性ひっ迫の可能性を市場に警告。ギリシャ国民がこの事態を深刻に捉え、銀行から資金を引き出す行動に出て取り付け騒ぎにつながる危険がある。
また、ギリシャの外相がロシアの外相と会合しており、潜在的に欧州連合(EU)ではなくロシアから救済策を得る道も開かれる可能性は十分に警戒要因で「ワイルドカード」と見られている。救済策の交渉でレバレッジの少ないギリシャは、欧米からの制裁でやはり苦労しているロシアと手を組むことをレバレッジとして使用する可能性も否めない。
■ギリシャ債務協議のスケジュール
11日:19のユーロ圏財務相、欧州中央銀行(ECB)、国際通貨基金(IMF)の臨時会合
12日:米国東部時間午前6時(日本時間午後8時)、28の欧州連合(EU)首脳会談
16日:19のユーロ圏財務相、欧州中央銀行(ECB)、国際通貨基金(IMF)の正式会合
18日:ECBがギリシャの銀行と会合
28日:対ギリシャ向け国際救済策の期限
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