NYの視点:米Q1GDPの不思議
[15/04/23]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 経済総合
過去30年間の統計によると、米国の国内総生産(GDP)で1-3月期の成長率が通年の成長率に比べて低いペースにとどまるケースが多いことがわかった。米国の経済専門局CNBCの調査で明らかになった。過去30年間の国内総生産(GDP)は年平均で2.7%成長だが、1-3月期の平均は1.87%成長にとどまった。
また、1985年以降、各四半期の成長を比べた場合、60%の確率で1-3月期の成長率が最も低い。2010年以降、通年の平均成長率は2.3%。これに対し、1-3月期の平均成長率はわずか0.62%に過ぎなかった。市場アナリストが見通しで1-3月期の成長率を過大評価する確率も80%にのぼる。4-6月期の平均成長率は3.32%、7-9月期は2.86%、10-12月期は2.74%だった。この統計に対して、政府は「季節調整後も、季節的な影響が残るため」と回答したという。
こういった統計をもとに、連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーは第2四半期以降の米国経済で成長ペースが加速すると依然期待している。しかし、軒並み予想を下振れた経済指標の結果を受けて、さすがに今まで経済に強気であった連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーでさえもここにきて利上げの時期を先送りする必要性を示唆するなど、慎重な態度に転じた。影響力が強いメンバーのひとりNY連銀のダドリー総裁も1-3月期の弱い成長が実際に成長の低迷を示すものかどうか、今後慎重に監視していく必要があると慎重な姿勢を表明した。
米商務省はワシントンで29日に米国の1-3月期国内総生産(GDP)速報値を発表予定。市場エコノミストは1.0%成長を予想している。
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