NYの視点:ギリシャ合意、まだ安心できず
[15/07/14]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 経済総合
欧州連合(EU)は12日にブリュッセルで緊急のユーロ圏首脳会議を開き、財政危機に陥ったギリシャへの金融支援再開に向けた交渉を開始することで13日、合意した。EUのトゥスク大統領が明らかにした。支援条件となる財政再建策の実行を担保するためギリシャが一部再建策の15日までの法制化を受け入れた。EU側は法制化を確認後、大規模な支援融資実施に向けた協議に入るとみられる。ギリシャ向け第3次救済策の規模は最大860億ユーロに達する模様。
最初のハードルはギリシャ議会での採決。結果次第では、合意期待が逆転する可能性も除外できない。ツィプラス首相が債権者に約束した年金改革、VAT(付加価値税)税率の引き上げなどが議会で承認されなかった場合、ギリシャが一時的なユーロ圏離脱を強いられる危険性は十分ある。国民は先週実施された国民投票において、緊縮反対、ユーロ圏離脱も辞さない構えをすでに表明している。もう一つのハードルは果たしてギリシャが改革を実行できるかどうか。
同時に、ユーロ圏6か国(ドイツ、オランダ、オーストリア、スロバキア、エストニア、フィンランド)でも、ギリシャ向けプログラムに関する交渉開始をめぐり議会の承認が必要となるが、ギリシャが緊縮策を受け入れたため欧州側では承認される可能性が高いと見られている。支援策の進行次第で欧州中央銀行(ECB)はギリシャの銀行向けELAでの対処を検討することになる。欧州中央銀行(ECB)は16日に定例理事会を予定しているが、ギリシャへの資金調達を協議する。ギリシャの銀行は15日まで営業を停止する計画。
ギリシャは13日に5億ユーロの国際通貨基金(IMF)への支払い、20日には35億ユーロの欧州中央銀行(ECB)への支払いを控えている。動向からは目が離せない状況が続く。
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